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自分のケアができないリーダーは部下に嫌われる グーグルが注目する自分で心身を整えるスキル

東洋経済オンライン / 2024年9月2日 15時0分

小林さんは、あるワークショップに参加し、セルフ・コンパッションの考え方を知ります。それをきっかけに、自分が抱えている負担感が限界を超えてしまったことを自覚しました。

これは、セルフ・コンパッションの要素の1つである、マインドフルネスにあたります。自分の状況をそのまま受け入れたのです。

小林さんは、リーダーとして頑張っている友人に悩みを相談します。チームリーダーをしていれば、誰もがメンバーとの接し方に悩むものです。

自分の境遇に共感をしてくれる友人との会話で、「自分だけじゃないんだ」と思うことができ、ホッとしました。

このような感覚を共通の人間性といいます。つらいときは、孤立しがちですが、つらい気持ちを通して、周りとの人間関係を深めることができます。

このとき、小林さんは、落ち込んでいる自分を励ましてくれそうなYouTube動画を見ます。このように、自分にやさしさを向けることで、自分にとって必要なアクションをとる余裕が生まれてくるのです。これは、セルフ・コンパッションの要素である、自分へのやさしさにあたります。

ある動画で見た言葉が、小林さんの頭に残ります。

「すべての状況は、リーダーがつくり出している」

というメッセージが、少し余裕ができた心に、すーっと入っていきました。

小林さんは、メンバーが仕事をしてくれないのは、メンバーが悪いと思っていました。しかし、じつは、自分の指示の出し方や伝え方が悪かったことに気づいたのです。

今まではメンバーに、「このタスクをやってほしい、あのタスクをやってほしい」と、ただ単に作業の指示出しをしているだけでした。それではメンバーのやる気は出てきません。すべての状況は自分がつくり出している、と納得したのです。

メンバーの動きも主体的に

小林さんのマインドセットががらりと変わります。リーダーとしての覚悟が生まれました。すべての責任は自分にある、と心が定まったのです。

スイッチが入ったとたん、小林さんに再び、意欲が湧いてきます。小林さんは、メンバーにもっと仕事を自由にやっていいことを伝えました。それと同時に、何が起きてもリーダーである自分自身の責任だという思いも共有しました。

そこからチームが動き出すのです。メンバーの動き方が主体的になっていったのです。失敗しても、リーダーが責任を取ると言ったことで、メンバーは安心して仕事にあたることができるようになります。

その後、もっとも主体的に動くようになったメンバーが小林さんにこう伝えました。

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