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鉄道とクレカ業者「タッチ決済」駆け引きの裏側 東急「運賃50%オフ」作戦、JRはどう出る?

東洋経済オンライン / 2024年9月2日 7時30分

鉄道各社で導入が広がるクレジットカードのタッチ決済(写真:東急電鉄)

ひと昔前までは、クレジットカードによる決済といえば、一定の金額以上の取引が対象だったが、タッチ決済の導入で最近は少額の買い物でもタッチ決済という例が増えている。

【写真】福岡市地下鉄は全3路線36駅でタッチ決済が使える。東急は世田谷線でもタッチ決済を導入する意向だ。ほかには?

全国の交通事業者の間でもタッチ決済が急速に普及している。利用者が行う一連の動作はSuica(スイカ)やPASMO(パスモ)などの交通系ICカードと変わらない。前登録もチャージも必要ない。タッチ決済に対応したクレジットカード、デビットカードや同カードが設定されたスマートフォンなどを改札機の専用読み取り機にかざすだけで乗車が可能となる。

改札を出る際はカードを読み取り機にかざすと瞬時に移動距離に応じた運賃が支払われる、いわゆる「後払い乗車サービス」である。

「インバウンド向け」として普及

国内では国際カード首位のVisa(ビザ)が普及に力を入れていることもあり、「ビザタッチ」と呼ばれることもあったが、現在はVisaだけでなくJCBなど他ブランドのカードへの対応も進んでおり、タッチ決済のほうが呼び方としてはふさわしい。

交通事業におけるタッチ決済の歴史は浅い。国内初の事例はバスで2020年7月、みちのりホールディングス(HD)傘下の茨城交通が運行する勝田・東海―東京線の高速バスだった。鉄道業界初の事例は2020年11月、WILLER(ウィラー)グループの京都丹後鉄道である。

その後は2021年4月に南海電鉄、2022年5月から福岡市地下鉄など大手私鉄や公営地下鉄も追随した。

このときは海外からの旅行者は交通系ICカードを持っていないことが多く、インバウンド向けサービスの一環という側面があった。空港駅からタッチ決済で主要駅に向かい、その後はあらためてインバウンド向けの企画乗車券を購入するといった活用が想定されていたようだ。

その後も普及は進んだ。タッチ決済の交通系プラットフォーム「stera transit(ステラトランジット)」を提供する三井住友カードによれば、同システムを導入した鉄道・バス事業者数は2023年度に120に達した。2024年度には180、2025年度には230まで伸びるといい、大手民鉄16社、公営地下鉄8社の駅の7割がタッチ決済に対応する予定だとしている。こうなってくると、もはやインバウンド向けの施策とはというよりも、一般の利用者全般を対象とした施策といってよいだろう

東急が導入した狙いは?

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