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「刷新感」を打ち出した企業が陥る"残念な"結末 自民党総裁選でも「刷新感」は多用されるが…

東洋経済オンライン / 2024年9月3日 9時0分

組織体制を変えたり、若手を起用したりして「刷新感」を出そうとする企業もありますが、本当の意味での「刷新」はできているでしょうか(撮影:今井康一)

「名刺が変わりましたので、ぜひ名刺交換をさせてください」

【画像】「おじさんの詰め合わせ」とも言われてしまった自民党総裁戦のキービジュアル

「またですか?」

「経営企画部が、9月から経営企画管理部と経営統括本部の2つに分かれまして、このたび私が経営企画管理部の部長になりました」

期が変わるたびに名刺が変わる会社がある。所属部署や肩書がコロコロ変わるのだ。こういう会社は組織体制を変えて「刷新感」を出すのが狙いだろう。

しかし目論見通りにいくのだろうか? 本記事では「刷新感」をテーマに、やりがちな企業のダメ改革について解説していきたい。

「刷新感」を出すための切り口とは?

今回の自民党総裁選では「刷新感」という言葉が多用されている。

政治資金問題の影響などで支持率が急落した自民党にとって、現状を打破し、政権への信頼を回復するためには、党内で新たなリーダーシップと改革姿勢を示す必要があるからだ。

企業も同じだ。よほど大きな不祥事がない限り、経営トップが交代することはない。

しかし硬直した組織を変えるため、驚くような人を部門トップに据えることはある。冒頭に記したように部署を分割したり、別の部署と統合したり、部署の名前だけ変えたりして「刷新感」を出そうとする会社は多い。

「刷新感」を高めるには、過去のやり方と決別した感じを出すことがポイントだ。

リーダーであれば、過去考慮されなかった切り口に注目するほどいい。総裁選では今のところ「女性」「年齢」がわかりやすい切り口のようだ。

企業でも、ほとんどの管理職を40代後半~50代の男性で占めているのであれば、この切り口は効き目がある。

「新しい営業部長は、35歳の男性だ」

「今度の総務部長は、46歳の女性である」

このような人事が発表されることで、「わが社も変わり始めたな」という空気を作ることができる。他にも、「学歴」「経歴」「スキル」なども刷新感を出す有効な切り口になるだろう。

「当社でははじめて、高卒の社員が取締役に就任した」

「生え抜きではない、キャリア採用の社員が管理部の部長に抜擢された」

「建築士の資格を持っていない人が、はじめて公務本部の部長に就いた」

他社にとっては珍しくなくても、その会社にとって「前例のない」人事をすれば刷新感を打ち出すことはできる。

「刷新感」には期待が高まるが…

「刷新感」とは独特の表現だ。「臨場感」「幸福感」と同じように印象・感覚のことを指す。つまり「刷新されたような感覚・印象」という意味である。

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