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ヨシタケシンスケの絵本の「映像化できない」魅力 「たくさんの発想」を持つことで視野が広がる

東洋経済オンライン / 2024年9月4日 16時0分

ヨシタケシンスケは1973年生まれの日本の絵本作家。筑波大学の芸術専門学群に入学し、在学中に第4回アート・アーティスト・オーディションで優秀賞、一般審査賞、カールスモーキー石井賞を受賞しました。

1998年に筑波大学大学院芸術研究科総合造形コースを修了後、ゲーム会社に就職しましたが半年で退職。アーティスト数名で共同アトリエを運営し、広告美術で立体造形の仕事をしながら定期的に個展を開いていました。自主制作したイラスト集が編集者の目に止まり、イラストレーターとして活動をはじめます。

2003年にはスケッチ集『しかもフタが無い』を出版しました。その10年後の2013年に、初めての絵本『りんごかもしれない』を出版します。この絵本で第6回MOE絵本屋さん大賞第1位などを受賞し、『もう ぬげない』ではボローニャ・ラガッツィ賞特別賞、『つまんない つまんない』ではニューヨーク・タイムズ最優秀絵本賞を受賞しています。2022年には絵本作家10周年を記念した展覧会も開かれました。絵本、イラスト、エッセイなどの分野で活躍しています。

実験を繰り返し、新たな発想を絵に取り込んだピカソ

事例 たくさんの発想で芸術を変えたパブロ・ピカソ

たくさんの発想を持つことは、それだけでインパクトになります。

パブロ・ピカソが代表作である「泣く女」を描き上げたのは1937年。彼が56歳のときでした。

この絵には、タイトルから類推するに女性が描かれていますが、一見すると奇妙です。どうやら花飾りのついた帽子を被り、黒いドレスを着た女性が、ハンカチを嚙み締めていることはわかります。

顔らしいパーツは描かれていますが、全体を把握しようとすると、どこを見ても違和感があります。横顔にも、ななめから見たようにも、正面のようにも見えます。この絵は1枚の平面の絵のなかに、複数の視点を入れ込んでいるのです。平面でありながら多角的であり、見るものを驚かせます。

ピカソはこの絵を「キュビスム」という手法で描いています。おそらくピカソのなかで一番有名な作風でしょう。複数の視点を1枚の絵に取り入れた描き方は、美術界に衝撃をもたらしました。しかし、ピカソの作風はそれだけに留まっていません。つぎつぎと実験を繰り返し、新たな発想を絵に取り込む芸術家でした。

ピカソは「変貌の画家」と呼ばれています。目まぐるしく作風を変えましたが、決してでたらめではなく、そのどれもがたしかなコンセプトに裏打ちされていました。

生涯にわたって、常に作風を変えていった

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