ヨーカドー「33店舗閉店」で露見した"残酷な真実" 人も街も変化したのに、なにも変われなかった
東洋経済オンライン / 2024年9月4日 7時0分
閉店する33店舗が決定、100店舗を割るヨーカドー
GMS大手のイトーヨーカドーが、再び世間を賑わせている。ヨーカドーといえば、今年の2月に東北地方を含む17店舗の閉店を発表。また、親会社のセブン&アイ・ホールディングスがスーパー事業を分離するという実質的な「見放し」も受け、自力での再建を求められている途中だ。
【画像13枚】「人の姿はまばらで…」 46年の歴史に幕をおろす、イトーヨーカドー津田沼店の悲しすぎる”現在の姿”
そんなヨーカドーだが、来年2月末までに閉店する33店舗の詳細が判明し、大きな話題となっている。報道によれば、茨城県で唯一の店舗であった竜ヶ崎店や埼玉の西川口店、千葉の姉崎店など、関東近郊圏での閉店も行われる。この縮小により、イトーヨーカドーは一気に93店にまで減ることになる。
閉店する店舗の中でも、話題を呼んだのが、9月に営業を終える津田沼店だ。閉店が決まった当初から、「悲しい」「あの津田沼店が……」という声が聞かれた。
【画像13枚】「悲しい」「あの津田沼店が…」 46年の歴史に幕をおろす、イトーヨーカドー津田沼店の悲しすぎる現在の姿
そんな中で、筆者が「面白い」と感じたポストがある。一般ユーザーの投稿のため、直接引用することは控えるものの、そのポストではイトーヨーカドー津田沼店に「閉店」の2文字が掲げられるとは想像もできなかったと述べつつ、津田沼という街について、「ここ20年で一番、『行く』街から『住む』街に変化した街だと思う」と指摘していた。
何気ないポストに思えるが、チェーンストアや都市について執筆活動をしている筆者には、イトーヨーカドーが持っている、本質的かつ普遍的な問題が潜んでいると思えた。
そこで今回は、閉店する津田沼店を実際に訪れながら、街とヨーカドーの関係性について考えていきたい。
津田沼店を訪れてみると…
ヨーカドー津田沼店は、新京成線の新津田沼駅から直結している。入り口のドアの前には、閉店のお知らせが貼ってあった。
中に入ると、顧客から店へのメッセージを募集するコーナーが。ポストイットにそれぞれの人が津田沼店の思い出を書いて貼っている。その数は膨大で、津田沼店が地域の人から愛されてきたことがわかる。
その横には、閉店までの店の陳列について説明するポスター展示があり、一歩踏み入れただけで、完全に「お別れモード」に包まれる。
店内にも、至るところに「閉店売りつくし」と張り紙がしてある。いろんなものが安売りしていて、大量に積まれた商品が放り込まれたラックの周りには、ちらほら人がいる。
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