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商事、ふそう、自動車「三菱3社」連合で戦う意味 イブニオンの「ありそうでなかった」DX戦略

東洋経済オンライン / 2024年9月5日 13時0分

ページを見ると、EVや充電に関するポータルサイトという雰囲気。8月下旬の取材時点では、公開に向けた最終版になっていない状態だったが、窪田氏と五島氏からイブニオン・プレイスの使い方の説明を受けた。

ここでは、EVや充電に関する基礎知識のほか、自分が購入するEVモデルに応じて充電器や電力プランの概要が説明され、そのうえで設備工事事業者や電力会社からの見積もりへとつながる。

想定ユーザーは、乗用車所有の個人と商用車所有の事業者。特に商用車の場合、複数所有で充電設備工事の規模が大きくなることも考えられるため、イブニオンが事業者に対して「コンシェルジュ」としてコンサルティンサービスを行う。

こうしたEV関連情報の発信や設備工事事業者を紹介するサービスは、すでに電力供給会社やベンチャーの充電インフラサービス事業者が提供しているが、イブニオンとしては自動車販売店とのつながりを強化する。

筆者はこれまで、さまざまなブランドのEV販売現場を実際に見てきたが、「EV販売のための研修を受けても、まだまだ知見が足りない」と感じている担当者が少なくなかった。中でも、充電器そのものの技術や電力プランなどについては、専門事業者まかせになりがちだ。

EVは、見た目にはガソリン車やハイブリッド車といった従来のクルマと似ているが、家や電力系統とつながる分散型電源になり得るなど、商品として分類はまったく違う。

こうした中、ユーザーがワンストップサービスとして使えるイブニオンプレイス実用性は高いと思う。

とはいえ、イブニオンが単なるポータルサイトサービスだとすると、三菱のビッグネーム3社の合弁事業としては、正直なところ物足りない印象がある。

そこで「次の一手」を窪田社長に聞くと、可能性のひとつとしてVPP(バーチャル・パワープラント)の「リソース・アグリゲーター」という表現を使って教えてくれた。

「EVと社会をつなぐ」可能性

資源エネルギー庁によると、VPPは「仮想発電所」のこと。

火力、水力、原子力など従来型発電所によるエネルギー供給システムとは異なり、需要家側のエネルギーリソースを電力システムに活用する仕組みを指す。需要家とは、サービスを受けて利用する者、つまり家庭や企業だ。

アグリゲーターについては、「電力の需給バランスを調整する司令塔」と表現している。

EV、エネファーム、定置用蓄電池など需要側の電源(リソース)を束ねて、需要家側と電力会社の間に立ち、エネルギーリソースを最大限に活用しながら、電力の需給バランスをコントロールする役目を果たす。それが、リソース・アグリゲーターである。

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