iPhoneの「カメラ」が17年間も進化を続ける背景 初代カメラの画素数はたったの200万画素だった
東洋経済オンライン / 2024年9月5日 12時0分
暗所撮影にも強くなり、SNSにアップするために食べ物の写真を撮る人が増えたのもこのころだ。ただ、暗い店内で撮影するにはまだまだ性能は足らず、美味しそうな写真に加工するアプリなどが登場した。
処理能力が増大するスペックインフレ時代
2011年に登場したiPhone 4sは、ガラケー時代が長かった日本において、ようやく一般の人も手にするようになったモデルだ。さらにカメラ性能が向上し、画素数は800万画素に。毎年、処理能力もストレージサイズも急速に増大していたスペックインフレ時代だ(iPhone 4s発表の翌日、スティーブ・ジョブズ氏が死去した)。
iPhone 5~6sまでは、カメラの画素数は800万画素だが、年々画質は向上し、暗所撮影も強化されていく。
2015年登場のiPhone 6sで、ついにカメラの画素数は1200万画素になった。以来、基本的にはiPhone写真のカメラ画素数は1200万画素で保存される。
iPhone 14 Pro Max以降はメインカメラに4800万画素のセンサーを搭載する。ただし、そのセンサーは暗所性能に用いるもので、初期設定で保存される画像は1200万画素となっている。Android端末はより高い画素数を売りにしたモデルもあるが、アップルは、一般的な用途では1200万画素あれば十分だと考えているのだろう。
iPhoneの進化は画質だけじゃない
iPhone 7の大型版、iPhone 7 Plusには、標準の28mm相当F1.8のレンズに加え、望遠の56mm相当F2.2のレンズが搭載された。2つのレンズは選択式ではなく、iPhoneのディスプレイ上でピンチアウトすると、適切な画角で自動的に切り替わるという、今に続く操作方法を実現していた。
ここまで画質を中心に追ってきたが、世代を追うごとに、さまざまな撮影機能が追加されたことも見逃してはならない。動画が撮れるようになったのはiPhone 3GSから、インカメラが設けられたのは前述の通りiPhone 4からだが、それだけではない。
iPhone 5からパノラマ撮影、iPhone 5sからはバーストモード(連写機能)を追加。iPhone 6からは長時間撮影を短く見せるタイムラプスや、スローモーション、iPhone 6sから写真の前後3秒を記録するLive Photos、そして最大30fpsの4K動画、光学手ブレ補正も搭載。iPhone 7 Plusからは望遠レンズの切り替え機能、ポートレートモードなどが追加されている。
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