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災害時の「ポータブル電源」購入で失敗しないワザ 長持ちさせる「上手な保存法」についても紹介!

東洋経済オンライン / 2024年9月5日 8時0分

モバイルバッテリーや、スマホ、掃除機などで使われているリチウムイオン電池。ポータブル電源にもリチウムイオン電池が使われていますが、モバイルバッテリーとちょっと違う「オリビン型リン酸リチウム電池」が使われています。

一般的なリチウムイオン電池は、充放電を500回繰り返すと性能が低下(使える時間が短くなる)してきますが、オリビン型リン酸リチウム電池は4000~5000回の繰り返し充電で、ようやく性能が低下し始めます。

ですので、購入後に停電を想定したシミュレーションを何度かしても、ほとんど劣化することはありません。

フル充電になったらコンセントを抜くということは基本的にはしなくて大丈夫。メーカーではコンセントにつなぎっぱなしの状態で、およそ10年程度の停電に備えられるとしています。

さらに、筆者から10年の寿命をより長く使うためのアドバイスをすれば、次の2点になります。

・1日中日が当たらず涼しい場所に設置する

・フル充電(100%)になったらコンセントを抜き、80%まで減ったら再度充電する(何カ月も使わないと自然放電するため)

実はどちらも「熱」を避けています。モバイルバッテリーやスマホの充電でご存じの通り、充電中は電池が少し熱を持ちます。フル充電のままコンセントをつないでおくと、つねにバッテリーが温まった状態になるので、フル充電でいったんコンセントを抜くことをお勧めします。

また一般的に、リチウムイオン電池の劣化防止には、60~80%充電した状態で保管するとよいといわれています。ポータブルバッテリーの使い道を考えると、60%の保存だといざというときに使える電力が少なくなるので、筆者は80%で再充電をお勧めしています。

その際も1回の繰り返し充電にカウントされるのでは? と心配でしょうが、80%→100%に充電した場合の劣化は非常に少ないので、安心してください。

南海トラフ地震が予測されている地域では、いつ災害が発生するかもわからないので、コンセントにつなぎっぱなしにしておくといいでしょう。影響の少ない地域では、気象庁から警報が出てからフル充電にしても数時間で充電完了します。

省エネとライフスタイルで選択

これまで見てきたとおり、熱に関する家電は消費電力が多いので、ポータブル電源はできるだけ使わず、工夫とアイデアで省エネするのがポイントです。

ポータブル電源には残量計がついているので、地域の防災情報を収集して、電力復旧までの予測日数をにらみつつ、省エネをしながら必要な家電を使うようにするのもポイントです。

ポータブル電源選び、そして停電をやり過ごすには、危険予知と同じで「認知(見て)」して「予測」することが大切です。

藤山 哲人:家電ライター

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