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任天堂岩田社長の圧倒的な「経営者としての器」 経営者・マネージャーに求められる絶対的条件

東洋経済オンライン / 2024年9月6日 12時0分

本書内では、岩田さんをはじめ、任天堂の幹部の方々が、レジーさんと英語でディスカッションされている光景がたびたび描かれています。レジーさんの視点を通じて任天堂の経営陣の優秀さもひしひしと伝わってくるのですが、こうしたしっかり活躍できる陣を張れる、頭数がそろっているというポテンシャルの大きさも、任天堂の強さの秘訣なのだろうと感じました。

意思決定は「いち消費者」である自分1人

本書では、レジーさんが、重要な最終決定の決定権は、1人の人間だけが持つべきだということを書かれています。

私の場合も、クリエイティブディレクションを、人とは分担しないということを自分のルールにしていて、共通しているなと思いました。

社内では、もちろん皆さんにヒアリングしますし、良いアイデアは採用していますが、アイデアに対する意思決定は、基本的にすべて私が下すようにしているのです。

ホテルは、1つのプロジェクトに対して、数億、数十億というお金がかかります。クリエイティブディレクションを分担してしまうと、その責任を取り切れなくなるのです。

「みんなが良いと言うから、それをやってみようか」という他人任せな感覚では、誰に刺さるのか誰もわからないプロダクトが生まれてしまいます。

少なくとも、自分がいち消費者の立場として、このプロジェクトにわくわくできるのか、この空間に行ってみたいと思えるのかという感覚を持つことのほうが大事だと思うのです。

私の役回りは、予定調和的な仕事をするのではなく、原点に立ち返って、消費者の気持ちになってプロジェクト全体を見直すような提案をすることだと思っています。

本書を読んでもう1つ、印象に残ったのは、一緒に働いた方々のお名前がよく登場することです。レジーさんは、同僚の方や、チームメイトに対する愛とリスペクトが強い方だと感じました。

チームに対する愛とリスペクト

任天堂に入った彼は、岩田聡さんと関係性を深めるために、ホテルの部屋で一緒に朝食を食べましょうと何度も促したり、入院中の病室に押しかけたりします。

相手の業務に対してリスペクトを示し、ビジネスパーソンとしての距離感を一歩踏み越えていくようなコミュニケーションをとり、自分よりも役職が下にあたる相手に対しても、敬意を表明するために、ミーティングの際には、相手のオフィスにわざわざ出向いたりもします。

その人に対する敬意が外側にも見えるように振る舞うということを、強く意識されていたことがとても伝わってきました。

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