北口榛花さん実践「うつ伏せ」は最強の疲れ解消法 「疲れた」と思ったら、まずは5分間だけお試しを
東洋経済オンライン / 2024年9月6日 8時0分
テレビや雑誌などのメディアで健康情報を発信するトレーナーの坂詰真二さんが、疲れない体、引き締まった体、自信がもてる体を作るメソッドを伝授する本連載。
今回のテーマは「北口選手に学ぶ、うつ伏せリセット法」です。
熱狂のうちに終わったパリオリンピック。筆者の印象に残ったのは、やり投げの北口榛花選手が競技中に休憩をする姿でした。北口選手が食べていたカステラに話題が集まりましたが、注目すべきは彼女のとっていた「うつ伏せ」体勢です。
【イラストで解説】疲れがとれる!「うつ伏せリカバリー法」のやり方
やり投げでは、選手は一投終わるごとにフィールド内で休憩をとるのですが、ほかの選手は座るか、仰向けで寝るか。うつ伏せの体勢で休んでいたのは、映像を見る限り北口選手だけです。
実は、このうつ伏せという体勢は、アスリートに限らず、一般の方々にもお勧めしたい休憩法です。
なぜうつ伏せがいいのか?
突然ですが、体の前面と後面、凹凸が多いのはどちらでしょうか?
姿見があれば自分の姿を、そうでなければ周囲の人を観察してみてください。明らかに後面のほうがでこぼこしているはずです。
イラストで、疲れが取れる「うつ伏せリカバリー法」と座り仕事の合間にやりたい「姿勢リセット法」などをチェック(イラスト2枚)
これは脊柱(背骨)の持つカーブによるものです。
DNAが近いチンパンジーなどの類人猿は、脊柱全体がうしろに湾曲、つまり後弯していますが、人の場合は「頸椎→前弯、胸椎→後弯、腰椎→前弯」と、S字状にカーブしています(下の図。※外部配信先では図を閲覧できない場合があります。その際は東洋経済オンライン内でお読みください)。
このカーブは人類の進化の過程で獲得した便利な機能で、車でいうダンパー(ショックアブソーバー)の役割をしています。歩行やジャンプなどの着地時に地面から受ける衝撃を和らげて、重要な脳がダメージを受けるのを防いでいるのです。
ただ、この便利な機能も、仰向けに寝る際には少しやっかいになります。
後弯している背中の上部(肩甲骨付近)とお尻が圧迫されるからです。これによりカーブが緩やかになってフラットな状態に近づき、骨盤がうしろに傾いてしまいます。
骨盤の後傾は何が問題か
骨盤が後傾すると、日常生活でもスポーツ競技でも弊害が生じます。背骨が正しいS字カーブであれば骨盤はやや前傾となり、股関節を軸に脚(大腿部)を後方に15~20度程度振ることができます。
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