北口榛花さん実践「うつ伏せ」は最強の疲れ解消法 「疲れた」と思ったら、まずは5分間だけお試しを
東洋経済オンライン / 2024年9月6日 8時0分
脚を後方に振ることは、人が活動をする上で大きなアドバンテージとなります。地面を後方に蹴り、反作用を受けて前方に推進できるからです。
この動きは歩行やランニングに限らず、ボールを投げる、パンチを打つなど、さまざまなスポーツでも重要です。
話を北口選手に戻しましょう。
65m80ものビッグスローを可能にしたのは、不断の努力で培ってきた筋力や柔軟性などの体力、技術に加え、美しく正しい姿勢にあったのは間違いありません。各々の競技のベースにあるのが一般的技術、さらにそのベースにあるのが姿勢だからです。
疲れたらうつ伏せになってみる
彼女が休憩時間にうつ伏せになっていたのは、正しい姿勢に対してのこだわりの現れだと考えられます。先ほどお話ししたように、体の前面は比較的フラットですから、地面とマッチしやすく、姿勢が崩れにくいのです。
うつ伏せ状態で凸部分になって床と接触し、強い圧を受けるのは、つま先と胸です。足のつま先が床に当たらないようにするためには、足首部分にクッションを置くか、膝を曲げる必要があります。また、胸が圧迫されないよう、肘をついて上体を反らすことも大切です。
実際、北口選手はうつ伏せになりながら肘を立て、膝を曲げて休んでいました。さらに、膝を曲げてパタパタと脚をリズミカルに動かす動作もしていました。この動きはリカバリーにとっても有益です。
ほかにもうつ伏せの良さがあります。
立った状態だと重力の影響で、血管から染み出した細胞間質液が地面に近い下半身、特に膝から下に溜まりがちですが、うつ伏せになって心臓より下腿部を高く上げることで、細胞間質液が溜まるのを防げます。さらに脚をパタパタと動かすことで、筋肉の伸び縮みがポンプの役目をし、筋肉の間を通る血管内の血流を促進します。
仕事や家事で疲れたら、5分でもいいのでうつ伏せになり、肘をついて上体を反らしたら、膝をリズミカルに動かしてみてください。その際、足の下にクッションを置くなどして足を床にぶつけないようにしましょう。
最後にエクササイズをご紹介します。
そして、ここでは北口選手も実践している、いすに座った際の姿勢の整え方もご紹介します。
一般的なのは、背もたれと骨盤の隙間がなくなるように深く座り、背もたれに背中全体を預ける方法です。足が床から浮いてしまう場合は、足の下に台を置くといいでしょう。
より積極的に姿勢を整えたい方は、いすの前方に浅く腰掛け、足を腰幅程度に開いて手前に引く座り方をしましょう。こうすると骨盤よりも膝の位置が下がるので立ち姿勢に近づき、骨盤が立ちやすく、背すじも正しいS字カーブを描きやすくなります。
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