新iPhone、差別化戦略のカギを握るキーワード どのようなiPhoneのポートフォリオを作るのか
東洋経済オンライン / 2024年9月6日 8時0分
その過程で、さまざまなAI機能を実現すために活用されてきた。iOS 18でAI技術を用いている機能の中には、iPhone 12以降でなければ動かないものもあるが、それは推論エンジンの性能が一定水準を超えていないからだ。
iOS 18の最初のアップデート、iOS 18.1では今年6月に発表されたiPhoneで管理する個人的な情報やコミュニケーション履歴を分析し、人工知能が異なるコミュニケーションの履歴を跨いで手助けするApple Intelligenceが(当初はアメリカから)ベータ版で搭載される。
そして、Apple Intelligenceの動作に必要なのが、iPhone 15 Proに内蔵されたA17 Proに搭載されている推論エンジンだ。同じ推論エンジンは、最新のiPad Proが搭載するM4プロセッサにも内蔵されている。
ProではないiPhone 15は非対応
もう少し全体を俯瞰してみよう。
アップルが今年、iPhone向けの最新基本ソフトとしてリリースするiOS 18は、iPhone XS以降のモデルをサポートしている。実に8世代を跨ぐ息の長いアップデートは、システムの根幹である半導体チップから基本ソフト、端末設計までを一貫して開発、提供しているiPhoneならではのものだ。
Android搭載スマートフォンでは、GoogleのPixelが7年のアップデート保証を打ち出して話題になったが、アップデート保証は半導体チップメーカーの開発体制にも依存するため長期アップデート保証のハードルは極めて高い。
それゆえに、アップルは意図して端末の長寿命化、すなわち長期にわたるアップデートの提供を行っている。これは、彼らのブランド構築の一環であり、マーケティングの中核ともいえるだろう。
この基本的なサポートのベースラインの上に、iOS 18ではiPhone 12以降でしか利用できない推論エンジンを活用して実現する機能が一部に存在するが、ハードウェアによる差別化もなされていることもあり、iPhone 11以前のユーザーが不満に感じることはないだろう。ほとんどの体験はサポート端末内において共通だ。
もうひとつの線引きとなるのが、前述したiPhone 15 Proで採用されたA17 Pro内蔵の推論エンジンだ。この世代の推論エンジンで、アップルは内部構造に大きく手を入れ、取り扱うデータ精度を変えることで2倍速で動かす仕組みを取り入れた。
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