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多発する「男性差別の炎上」で露呈した怒りの正体 牛角、しまむら、フリーアナ…なぜ炎上が続いたのか

東洋経済オンライン / 2024年9月6日 16時30分

もともと男性は幼いころから「男の子でしょ」などと言われてさまざまなことを求められ、大人になっても「男だから」などと言われて責任を負うケースが少なくありません。また、時代が平成、令和と変わる中、何か発言したら「女性差別だ」「男尊女卑」などと非難される機会が増えていました。

そんな長い経緯があってのことだけに、まだまだこの連鎖は続きそうなムードがあります。さらに怖いのは、「男性差別だ」と声をあげる状況がこれ以上続くと、過去の言動なども掘り起こされかねないこと。

実際、ある芸能事務所は女性タレントたちに「男性差別につながる発言には気をつけるように」という注意と、動画などにおける「過去の発言などをチェックするように」という指示を出したそうです。

「男性をひとくくり」にする怒りも

少し見方を変えると、たまりにたまっていた不満の一因は、「男性差別を気にしなければいけない自分の現実」によるところにもあるように見えます。

実際、男性の中でも地位や収入の高い“強者”は、今回の件を「男性差別だ」と怒らず、すべて「別に構わない」「言わせておけばいい」という程度にしか感じていないのではないでしょうか。

たとえば経営者や政治家が「子どもの世話をしない」「おじさんばかり」と言われたり、体臭への注意を呼びかけられたり、女性だけが半額であったりすることを「男性差別だ」と、本気で怒るようには思えないのです。

「男性差別だ」と怒るのはそれ以外の人であり、中でも地位や収入などの点で“弱者”を自認する人ほど声をあげているのかもしれません。その意味で「男性差別だ」という話題の連鎖は、怒りというより「男性をひとくくりにしないでほしい」「強者ではない自分の立場も考えてくれ」という心の叫びにも見えます。

そしてもう1つ、「男性差別」が連鎖する理由として見逃せないのは、「ある人びとによって恣意的に作られたものではないか」ということ。前述したようにトラウデンさんと牛角の件は「男性差別だ」という批判より擁護のほうが多く、「怒っている人は一部に過ぎない」という印象がありました。

特に牛角のキャンペーンは7日開催の「TOKYO GIRLS COLLECTION」に出展することを記念したものであり、半額にした根拠も「女性の食べ放題での注文量が、男性に比べて肉4皿分少ないというデータ」によるものだけに、これを「男性差別」につなげることの強引さを感じさせられます。

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