「3時ぐらいに来るさぁ」でいい沖縄の仕事スタイル 現地でのビジネスがうまくいく「沖縄ルール」とは
東洋経済オンライン / 2024年9月7日 18時0分
私がもっとも驚いた経験では、ある県内経営者にアポを入れて伺ったら、別の方と打ち合わせ中でした。しかし、「一緒にやろう」となり、初対面の方を交えて三つ巴の奇妙な打ち合わせとなりました。
完璧主義の罠にとらわれず、相手のゆるさを許容する姿勢があれば、ストレスを感じにくく、意外に仕事もスムーズにいくものです。沖縄流テーゲー型ビジネススタイルは、世界に通じると思って、肩の力を抜いて沖縄でのビジネスにトライしてみてください。
PDCAサイクルを回すのが苦手な沖縄人気質
本土のビジネス社会では「PDCA信仰」が強いと感じます。いうまでもなくPlan「計画」→Do「実行」→ Check「評価」→Action「改善」をひとつのサイクルとし、継続的に回転させることで成果をあげていくスタイルです。
しかし、沖縄ではこのやり方ではうまくいかないことが多いようです。もともと沖縄人はPDCA型ではありません。インプットや経験値が少ししかなく、十分な計画ができていなくても、ひらめいたり、思いついたらすぐ始めるのが沖縄人の気質です。たとえば起業もそう。建設会社でもIT企業でも、業界で少し経験を積めばすぐ独立し、ビジネスを始めます。「そんな状況で大丈夫!?」と心配になるし、実際に失敗することもあります。しかし、走りながら軌道修正することで成功につなげていく人もいるのです。
企画書や報告書づくりも同じ。本土企業では精緻なPlan「計画」づくりにパワーをかけがちです。任された担当者はストレスを抱えながらも、90点くらいの完成度まで企画書を仕上げるでしょう。でも、沖縄では企画書も「だいたいこんな感じでいいですか?」と、70点くらいの完成度であがってくる。ナイチャー(本土の人)からすると「こんなアバウトな仕事をするなよ」とイライラするかもしれません。
では、本当に70%ではダメなのでしょうか? テーゲー思考では成功しないのでしょうか? それは考え方次第です。今70点なら、あと30点分の伸び代があると考えればいいのです。PDCAを重視しすぎると、メンバーが萎縮してしまい、能力を生かし切れない可能性もあります。無理強いすると、担当者のモチベーションが下がり逆効果になることもあります。
マネージャーに求められるのは、最初から90点を求めるよりも、こまめにフォローしながら軌道修正して、メンバーを育て、成果をあげていこうというスタンスです。ギチギチに指導をしてメンバーにストレスを与えるのではなく、素早くボールを投げて、キャッチボールを繰り返すのが沖縄流だと考えてみてください。
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