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老親の「"4LDK+S"のゴミ屋敷」驚く片付け過程 「絶対片付けない」と意固地な母親をどう説得?

東洋経済オンライン / 2024年9月7日 10時0分

母には家を片付ける気がないようだ。「とりあえず2階の物置みたいになっている部屋だけでも片付けてもらおう」となんとか説得し、イーブイに見積もりを依頼した。しかし、事前の見積もりも済み、いざ作業をするとなった当日の朝、ここにきて母は娘にこんなことを言い出した。

「なんで片付けなアカンの?」

なぜこの人はわかってくれないのだろう。これだけ時間をかけて説得して、お金も自分たちが出して、イーブイのスタッフたちも家まで来てくれているのになんで? その場で大喧嘩になり、娘も感情が高ぶって泣いてしまった。

モノを捨てられない親に効く言葉

数多くのゴミ屋敷事例を見てきたイーブイ代表の二見文直氏によると、「人は高齢になればなるほど、自分を取り巻く環境を変えることに大きなストレスを感じるようになる」という。歳をとれば新しいことを始めづらくなるし、旅行も、行ったことのないような外国ではなく行き慣れた国内の町に限られがちだ。要はバイタリティーが落ちてしまう。

実家をモノ屋敷にしてしまう親を説得するにはどうすればいいのか。イーブイのスタッフたちは第三者の立場から、現場でゴミ屋敷やモノ屋敷の住人を説得する機会も多い。今回も母親と娘の間に入って説得を試みた文直氏の弟・信定氏に聞いた。

「一番は感情的にならないことです。説得する側が感情的になってしまえば、相手もヒートアップしてしまうのは目に見えています。せめて、こちらは冷静でいないと、話は前に進みません。

頭ごなしに『はよ処分せえ』では、まず説得できないので、『もう捨ててもいいんじゃない?』と言い方を変えてみたり、『これ最近いつ使った?』と遠回しに聞いてみたりすることです。自発的に『モノを減らそう』と思ってもらわないことには難しいです。いろんなレパートリーで根気強く説得を試していくしかありません」

実際に手を動かしていくうちに状況が変わることもある。作業開始後、「やっぱりモノは捨てたくない」と、依頼自体がキャンセルになってしまうことも珍しくない。一方で、状況が好転することもある。

「片付け前は親子で揉めていたけど、始まるとだんだん住人の様子が変わっていくこともあります。散らかっていた部屋がきれいになっていく様子はやっぱり気持ちがいいはずです。みるみる表情が明るくなり、『もっと片付けたい』と言ってくれるケースも少なくありません」(信定氏)

ただ、ここで身内が「ほな、これも処分せえや」「だったらもっと前から片付けたらよかったやん」などと余計な口を挟んでしまうと、状況は後戻りしてしまう。ここは、第三者である業者に任せてしまうほうが賢いだろう。

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