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なぜロジカルシンキングのアップデートが必要か 「そんなわかりきった一般論はいらない」の声

東洋経済オンライン / 2024年9月9日 11時0分

それを聞いたクライアントから、第一声が発せられる。

「そんなわかりきった一般論はいらない」

その瞬間、ミーティングの空気が凍りついた。さらに、次の言葉が続く。

「4Pでも何でも、そのようなフレームワークは我々でも知っている。そんな周知の枠組みを使っているから、提言の内容が月並みなものになってしまう。我々が聞きたいのは、そのような一般論ではない。結局自分たちの事業に何が効くのか。その独自の考え、新鮮な洞察が欲しいのだ」

新人コンサルタントを鍛え上げる研修の場として、あえてこのような厳しい言葉を伝えた部分もあるだろう。しかし、それは僕にとっても紛れもなくショッキングなメッセージだった。

かつて有効とされた考え方が、価値を生み出すどころか、アウトプットを陳腐化させてしまっている。

その現実が、目の前にあった。

問題はどこに?

問題は、どこにあったのだろうか。少し視線を引いて俯瞰的に考えてみよう。

そもそも「考える」ということは、ざっくり言って「①インプット(情報収集)→②プロセス(情報処理・分析)→③アウトプット(思考成果の提示)」という流れで構成される。

料理でいうところの「①材料調達→②調理→③提供」の流れをイメージすればわかりやすい。

このうち、いかに情報をうまく分析し、そこから意味のある洞察を取り出すかという「プロセス」の部分は、まさしく経営コンサルタントが強みとする部分だ。

だが今回のケースでショッキングだったのは、この強みの核心であるはずの「プロセス」、つまりは考え方が陳腐だと言われたことだ。

4Pのフレームワークは昔から知られたもので、ある種の古典ともいえる。

しかし文学とは違って、ビジネスの現場において古典は価値あるものとして尊ばれず、代わり映えのない汎用品として扱われるようになってしまった。

ロジカルシンキングの新たな「思考の型」 

では、新たな「思考の型」とは、どのような姿をしているのだろうか? まず、思考の全体像を大きくざっくりと捉えたとき、それは「発見」と「論証」の二大局面に分けられる。

1. 発見(Discovery、ディスカバリー)

問いを立て、新たな知識・仮説を見つけ出す局面。何か主張の正しさを伝えようとする前に、「そもそも何を伝えたいのか?」「そこに意外性や面白さはあるか?」「既存の情報との差別化はどうなされるか?」といった問いに答えるための仮説の洞察が、この「発見」の局面においてなされる。

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