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なぜロジカルシンキングのアップデートが必要か 「そんなわかりきった一般論はいらない」の声

東洋経済オンライン / 2024年9月9日 11時0分

2. 論証(Proof、プルーフ)

発見した知識や仮説を、事実(ファクト)や論理的な手続きを使って正しいと示す局面。「発見」で洞察した仮説に対して、「なぜその仮説は正しいと言えるのか?」「どのような理屈によってそう考えたのか?」「具体的な根拠は何か?」といったことに、この「論証」の局面で答えていく。

そして、これら「発見」と「論証」の二大局面の上で、QADIの4つの頭文字が示す思考の型が相互に組み合って展開される。

Q:問い(Question、クエスチョン)

発見と論証の出発点となる〈問い〉を立てるための型。

問いの質が優れていれば思考の質は自ずと高まり、優れたアウトプットも生まれる。逆に、陳腐な問いは陳腐な考えをもたらし、そこから価値ある成果は期待できない。優れた発想を導く「論点(クエスチョン)設計の方法」を、ここで伝えていく。

A:仮説(Abduction、アブダクション)

立てた問いに対して、初期〈仮説〉を生み出すための型。

初期仮説はいわば植物の種であり、それが持つポテンシャルによって将来育ってくる樹木や果実の姿は大きく変わる。いかに、新規性・意外性のある仮説をはじめに創出できるか。このことを、「仮説形成(アブダクション)」の方法によって伝えていく。

D:示唆(Deduction、ディダクション)

はじめに生み出された仮説を「1」だとすれば、それが持つポテンシャルを〈示唆〉として「10」へと引き出すための型。

「点」のアイディアだけだと「それは思いつきだ」と退けられるが、価値を広げていく「線」=ストーリーとして語ることができれば、話の訴求力はまるで変わる。このことを、「演繹的思考(ディダクション)」の方法を通じて明らかにしていく。

I:結論(Induction、インダクション)

創出された仮説やストーリーの正しさを検証・反証して磨き上げ、〈結論〉に引き上げるための型。

検証と反証によって仮説の確証を深め、さらなる進化を遂げさせることで、仮説はどこまでもその「力」を強くしていく。このことを、「帰納的思考(インダクション)」によって伝えていく。

「QADIサイクル」とは何か

これらを統合させた「思考の型」をQADI(クァーディ)サイクルと呼ぶ。

この思考の型をシン・ロジカルシンキングとして伝えるのは、これが、

●過去のロジカルシンキングの限界をアップデートする「新(シン)なる思考」であり、

●これまでバラバラに扱われてきた思考法をシンクロさせた「統合(シン)の思考」であり、

●考えることの本当の可能性を解放する「真(シン)の思考」である

ことを目指すものだからだ。

望月 安迪:デロイト トーマツ コンサルティング テクノロジー・メディア・通信(TMT Division) 兼モニターデロイト ディレクター

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