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急拡大の「スリープテック」気になる進化と現在地 スポーツ界などで導入進むもデータ活用は途上

東洋経済オンライン / 2024年9月10日 9時0分

スポーツ界での導入が早かった「スリープテック」。市場も急拡大しているが、私たちの健康づくりにどう活用できるのだろうか(写真:ryanking999/PIXTA)

アスリートの世界では、長時間のトレーニングをよしとする体育会系的発想は今や時代遅れとなり、適切な休養、とくに「睡眠」の確保が重視されるようになっている。

【写真】注目が集まるスリープテック。入眠効果がある音楽を流しながら生体情報を収集できるイヤホンタイプが増えている

メジャーリーグで活躍する大谷翔平選手が、「睡眠時間は基本的に10時間」「いつ寝るかの準備を計画的に行う」と公言してからは、一般の人も自身の睡眠や、睡眠とスポーツの関連について注目するようになったことだろう。

睡眠とスポーツの関係は、アメリカを中心にさまざまな研究が行われている。例えば、十分な睡眠時間の確保は身体の回復力を高めること、筋力や持久力の向上につながること、集中力の向上でケガを減らす効果が得られることなどがわかっている。

さらに最近では、最新のテクノロジーを使ってアスリートの睡眠を分析し、その質を高めるために「スリープテック」の活用も始まっている。

世界の市場規模は250億ドル

スリープテックは、2012年ごろに登場したと言われている。ウェアラブルデバイスやIoT機器などに搭載されたセンシング技術を使って、睡眠時間はもちろん、眠りにつくまでの時間や寝ている時の姿勢、寝返りの数、いびきなど睡眠中のさまざまなデータを収集。そして、得られたデータを基に専門家がアドバイスしたり、AI(人工知能)で分析したりすることで、よりよい睡眠につなげる製品やサービスを提供しようというものだ。

世界市場規模はデバイスだけで、2024年は約248億ドル、2033年までに約1100億ドルに達すると予測されている(Precedence Research調査)。国内市場に関しては、2024年に140億円、2026年には175億円になるとの予測も出ている(矢野経済研究所)。

当初は、寝具の下に敷くマットやベッド本体、枕といった寝具をはじめ、ベッドサイドに置く時計や照明に取り付けたセンサーなど、寝室で利用するものが主流だった。だが最近では、スマホやスマートウォッチ、スマートバンド、スマートリングといったウェアラブルデバイスの標準機能として睡眠時間などが可視化できるようになり、体調コントロールにつなげる人たちが増えている。

そのほかにも腕輪やアイマスクなど、続々と新しいものが開発されているが、中でもスマートリングは、バッテリーの持ちが長く、日常生活や睡眠の妨げにならずに安定してデータが収集でき、昼寝や居眠りまで検出できるという点で人気が高まっている。今年7月にリリースされたサムスンのスマートリング「Galaxy Ring」(日本は未発売)も、睡眠分析機能が搭載されたことで販売数を伸ばしているという。

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