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急拡大の「スリープテック」気になる進化と現在地 スポーツ界などで導入進むもデータ活用は途上

東洋経済オンライン / 2024年9月10日 9時0分

さらにこれから登場しそうなのが、イヤホンタイプだ。耳に装着して脳波などの生体信号を計測することができるデバイスが開発されており、今年1月にアメリカで開催されたテックイベント「CES 2024」でもプロトタイプが展示されていた。Appleも同様の機能についてワイヤレスイヤホンで特許を取得しており、生体情報を収集しながら入眠効果がある音楽を流すといった使い方を可能にするのではないかと噂されている。

プロスポーツ界でも活用が進む

スリープテックは、医療やヘルスケア、ドライバーの安全サポートなどさまざまな領域で活用が始まっているが、スポーツ分野では早くからプロの間で導入されている。試合が夜間や不規則な時間に行われ、長距離の移動も多いため睡眠不足になりがちな選手をケガから守り、パフォーマンスを高めるのが目的だ。アスリート個人だけでなく、プロチームが選手のサポートとして活用する動きもある。

国内でも、睡眠をトレーニングとして考え、アスリートをサポートする事例が出てきている。その1つが、ラグビー男子日本代表チームや東京五輪に出場した日本代表選手が利用したことで注目を集めた、アスリート向けのコンディション管理システム「ONE TAP SPORTS(ワンタップスポーツ)」だ。

同システムを開発・提供するユーフォリアは、トレーニングの内容や運動負荷、疲労度、食事管理といったさまざまなデータを可視化する中で、睡眠の重要性に早くから着目していた。

システム自体は睡眠を計測する機能を持たないが、前述したようなスリープテックデバイスと連携ができ、例えば、ケガのリスクを防ぐため、睡眠時間が6時間以下と短い場合にはアラートを通知できるようにしている。そのほか、アスリートの要望に応じて、データに基づき睡眠を指導してくれる専門家の紹介なども行っている。

ONE TAP SPORTS は、2022年から東京都教育委員会が指定する都立高校などの56部活動でもコンディションを管理するアプリとして採用されている。収集するデータの中には睡眠時間なども含まれており、十分な睡眠時間の確保がケガの予防やパフォーマンスの向上につながるといったことがデータで証明されるようになれば、中高生の部活動の指導内容にも影響を与えるようになるかもしれない。

睡眠の質を計るデバイスやサービスの評価制度も登場

しかし、これまで「睡眠の質」に関するデータは、専用の施設で脳波計やセンサーを取り付けて、何日もかけて計測を行う必要があるなど収集が難しかった。そのため睡眠研究は、まだまだ十分とは言えず、わかっていないことも多い。

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