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伊藤蘭が好きすぎて「腕にRANと彫った」彼の半生 「高校の2年で100公演」半世紀後も応援する理由

東洋経済オンライン / 2024年9月10日 13時5分

一瞬『は?』と思いましたが、言われてみれば確かに、その時点で52歳だったのですが、はっきり面影はありました。父は『お前がキャンディーズのランちゃんに夢中になってる姿を見ていて、絶対に顔を覚えているからだと思ってたけど黙ってたんだよ』と続けました。

でも、それまで母の写真は全部父が捨てて1枚もなかったので全然知らなかった。だからこそ、この話は衝撃でした。そして、『中1のときに見たランの姿は母と重なっていて、追っかけをする運命だったんだ』とすべて腑に落ちました。

そして、その後、母がかつてバスガイドをしていた頃の若かりし頃の写真を見せてくれたんですが、伊藤蘭さんにそっくりでした」

ランに似ていたという母は、2007年、ガンでお亡くなりになりました。運命というものは本当にあるのでしょう。翌2008年、石黒さんは遂に! 伊藤蘭インタビューの仕事が実現するのです。

2008年4月に解散30年記念で、「全国キャンディーズ連盟2008大同窓会」フィルムライブが2000人を集めて行われ、石黒さんは発起人代表を務めます。

ちなみに、このイベントの成功を見守ってくれていたかのように、イベントの9日後に父も他界しました。そして、そこをきっかけに、5月には「新生・全キャン連」の代表となります。その流れからお声がかかったインタビューでした。

「朝日新聞社のムックの仕事で1時間半、みっちりインタビューできました。会って話ができただけではなく、撮影の際にはレフ板で光をあてさせていただき、取材後には『仕事でこんなに熱くファンだと言われたのは初めて』と向こうから握手を求められたんですよ。

大げさではなく『もう、やり残したことは何もない。いつ死んでもいい』と本気で思いました。だって、12歳から憧れ続けた人とじっくり話せる瞬間を夢見て、この仕事を始めたんですから。2008年のこの日以降の僕は完全に余生でしたね」

60代にして歌姫が復活し生涯応援を誓う

以降を余生とし、穏やかに過ごしていた石黒さん。ところが再び奮起のときが訪れます。2019年、「伊藤蘭、キャンディーズ解散以来の歌手活動再開」のニュースが飛び込んできたのです。

「青天の霹靂ですよ。報道で知って、『嘘だろう?』って。41年もの空白期間があったし、もう60代でしたから、歌手はやらないと思ってました」

そうして信じられない気持ちのままコンサートに参加した石黒さんは、伊藤蘭の圧倒的な現役感に打ちのめされるのです。女神が歌手として再生し、新たな「つばさ」を広げていたのでした。

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