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iPhoneだけじゃない、時計やイヤホンの重要進化 テクノロジーと健康管理を融合するアップルの狙い

東洋経済オンライン / 2024年9月10日 17時30分

服薬リマインダー、騒音環境を検知、心房細動の通知を行うApple Watch(写真:アップル)

アップルが新iPhoneを発表するプレゼンテーションで、今や恒例となったシーンがある。Apple Watchによって命を救われた人々の感動的な体験談だ。基調講演冒頭で、心臓病の早期発見や事故時の緊急通報など、このスマートウォッチが人々の命を守った実例が次々と紹介された。

【写真で見る】簡易的な補聴器のように使える新機能をAirPods Pro(第2世代)で導入

10年前のApple Watch発表時、注目はまったく別のところにあった。スムーズな操作性やファッション性が話題の中心だった。しかし現在、Appleはこの製品の位置づけを大きく変えている。単なるスマートフォンの付属品やおしゃれなアクセサリーから、人々の健康を守る重要なデバイスへと進化させたのだ。

Apple Watchの健康機能の進化は目覚ましい。2018年に導入された心電図機能と不整脈検出は大きな転換点となった。その後も、血中酸素濃度の測定や睡眠の記録、体温センサーなど、次々と新機能が追加された。

スマートウォッチで睡眠時無呼吸症候群を検出

今回発表された新型Apple Watchの目玉は、睡眠時無呼吸症候群の検出機能だ。この機能は、腕の微細な動きから呼吸の乱れを感知する。30日間のデータを分析し、中程度から重度の症状が一貫して見られる場合、ユーザーに通知する。ユーザーはこの情報を基に医師に相談し、適切な診断や治療につなげることができる。

世界保健機関によると、睡眠時無呼吸症候群は世界で10億人以上が抱える問題だ。しかし、多くの場合、診断されないまま放置されている。この新機能により、早期発見と適切な治療が可能になるかもしれない。

この新機能は、Apple Watch Series 9、Apple Watch Series 10、Apple Watch Ultra 2で利用可能となる。提供開始時期は機能によって異なるが、日本も含まれている。睡眠時無呼吸の検出機能は、各国の規制当局の承認を経て、9月中に日本を含む150以上の国と地域で利用可能になる見込みだ。

イヤホンが簡易的な補聴器に

一方、完全ワイヤレスイヤホンの上位機種「AirPods Pro」には、画期的な聴覚の健康機能が追加された。その1つが「大きな音の低減」機能だ。これは、ユーザーが聞いている音の特徴を維持しながら、有害な大音量の騒音を軽減する。コンサートなどのライブイベントでも、音の自然さと鮮明さを保ったまま、聴覚を守ることができる。

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