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ヒョンデとBYD「6車種のデザイン」本当のところ 2つの「アジアンブランド」大きく違う方向性

東洋経済オンライン / 2024年9月11日 13時0分

オーシャンシリーズのドルフィンとシールのうち、より海洋生物っぽいのは、ボディサイズに余裕があるシールのほうだ。

ただし、テスラのようにシンプルに徹しているわけではなく、ヘッドランプまわりやボディサイドにはアクセントをつけている。

ドルフィンは小柄で、パッケージングはATTO3に近い。フロントマスクで親しみやすさを出しつつ、鋭角的なサイドのキャラクターラインで躍動感も表現しており、エントリーモデルにふさわしいキャラクターが与えられている印象だ。

ちなみに6車種のボディサイズを小さい順に並べると、ドルフィン、コナ、ATTO3となり、少し離れてアイオニック5とネッソが同等、シールはSUVではなくセダンということもあり、この2車種より長くて低くなる。

インテリアは「ブランド」を反映する

インテリアは、エクステリアと比べると、ブランドごとの統一感が強い。とりわけインパネは、ヒョンデの3車種がすべてメーターとセンターをつなげた横長のディスプレイを置くのに対し、BYDは小ぶりのメーターパネルと、縦にも横にもできる大きなセンターディスプレイの組み合わせが共通する。

ヒョンデの横長ディスプレイは、アイオニック5が平面なのに対し、ネッソとコナはセンターが少しドライバー側にチルトしている。ネッソはインパネ中央から伸びるセンターコンソールが高めで、スロープしていることも特徴だ。

逆にアイオニック5は、インパネとセンターコンソールを離すことで、EVならではのフラットなフロアを強調。また、インパネだけでなくドアトリムも水平基調になっていて、サブブランドならではのこだわりを感じる。

BYDの3車種でもっとも個性的なのはATTO3で、スポーツジムをイメージしたというエアコンルーバーやドアグリップ、ギターの弦を思わせるドアポケットのサポートなど、エクステリアとは対照的にアクが強めだ。

海洋シリーズのドルフィンは、波をモチーフにしたエアコンルーバー、イルカのヒレにヒントを得たというドアオープナーなど、ATTO3ほどではないが独自性が強い。その点シールは、センターコンソールなどが有機的な造形であるものの、上級車種ということもあって主張は控えめだ。

キャビンの広さは、ボディサイズも近いコナとドルフィンが同等で、ATTO3は少し広め。残りの3台は、身長170cmの自分なら足が組めるほど広い。とりわけ、後席もスライドとリクライニング可能なアイオニック5のスペースは圧倒的で、EVのパッケージングをフルに生かしていると思えた。

販売台数の差は販売網の差だけではないはず

全体的に見ると、ヒョンデは外観、BYDは内装で個性を打ち出しているが、BYDのドルフィンとシールは主張が抑えめであり、より多くの日本人に受け入れられやすいデザインであると感じている。

日本自動車輸入組合(JAIA)が発表した2024年1~7月の新車乗用車登録台数を見ると、ヒョンデが382台、BYDが1187台と明確な差がついている。

ヒョンデがオンライン販売、BYDは実店舗販売という販売方法の違いや、有名人を起用したプロモーションの効果もあるだろうが、デザインの方向性の違いもこの数字に関係しているのではないかと思っている。

ヒョンデとBYD、それぞれのデザインについて、皆さんはどう思われるだろうか?

【写真】どの形が好き?ヒョンデとBYDのEV「6車種」を改めて見てみよう

森口 将之:モビリティジャーナリスト

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