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「成功した親」の子の将来が"むしろ危ない"のワケ 「AIに左右されない仕事が強い」に隠された盲点

東洋経済オンライン / 2024年9月11日 17時0分

凡庸な子どもを凡庸なままにしておかず、その凡庸さの中からマネタイズできる要素を探し出し、掛け合わせて、生き残れる道を創出してあげましょう(写真:metamorworks/PIXTA)

生成AIやデジタル技術の進化により、私たちの身の回りで、これまで人がやっていた仕事がどんどん変わっています。

スーパーのレジ、飲食店の注文や配膳はもちろんのこと、たとえば「○○の窓口」「○○インフォメーションセンター」のような、「誰かが対応してくれるだろう」はずの場所も、待っているのはロボットであることが珍しくなくなりました。昨日まであった仕事がAIに取って変わられる先行き不透明な時代を生き抜くために、子どもたちにはどのような教育を受けさせればいいのか。

親世代には想像もつかない変化の激しい時代を生き抜く子育てのヒントを進学塾経営者、富永雄輔氏『AIに潰されない「頭のいい子」の育て方』(幻冬舎新書)より、一部抜粋・編集してお届けします。

「変化に負けない仕事」の落とし穴

私が経営している塾の子どもたちを見ていると、幼いなりに彼らは「変わりゆく世界」にしっかりついていっています。特別な説明を受けるまでもなく、彼らにとって世の中はどんどん変化するのが当たり前であって、確実なものなどありません。

現に、今の時代についてVUCA(ブーカ)という言葉で語られるのを聞いたことのある人も多いでしょう。

VUCAは、Volatility(変動性)、Uncertainty(不確実性)、Complexity(複雑性)、Ambiguity(曖昧性)の頭文字。変化が目まぐるしく、未来の予測が困難で、「正解」の見えない時代であることを、一言で表しています。

問題は、親世代です。

世の中は変化することを理解しつつも、「だからこそ、変化に負けない確実な職業を」などと考えている人が多いのです。

とくに50歳近くともなると、弁護士だったり、公認会計士だったり、大企業の役員クラスに上り詰めているような人だったりは、同窓会に行けば「確実な仕事に就いている成功者」として扱われているはずです。つまり、遠からずAIに淘汰されてしまう職業にもかかわらず、いまだに「価値のある仕事」と思っているし、思われているわけです。

しかし、確実な道を歩もうとすることは、これからの時代、崩れゆく崖を歩くのと同じで、リスク以外のなにものでもありません。

にもかかわらず、まだ30代であっても、そうした発想転換ができていない人がたくさん見受けられます。

彼らは、子どもたちが鋭い肌感覚で進もうとしているのに、その道を理解できず、自分の価値観の古さに気づかず、よかれと思って我が子をミスリードしてしまいます。

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