三谷幸喜「5年ぶり新作」に入り交じる期待と不安 「スオミの話をしよう」は傑作となるか、酷評か
東洋経済オンライン / 2024年9月11日 11時0分
三谷幸喜監督9作目の脚本・監督映画であり、5年ぶりの待望の新作となる『スオミの話をしよう』が9月13日から全国公開される。
【写真】長澤まさみや西島秀俊ほか、豪華キャストが勢ぞろい。写真は場面シーン。
NHK大河ドラマ「鎌倉殿の13人」(2022年)で社会現象的ブームを巻き起こした三谷監督最新作への関心は高い。すでに予告映像やテレビCMから漂う爆笑必至な予感が、三谷作品ファンだけでなく、幅広い層の心をくすぐっているようだ。
スオミの失踪を巡るミステリーコメディ
物語は、著名な詩人の豪邸が舞台。詩人の妻・スオミ(長澤まさみ)が行方不明になるところからはじまる。
屋敷にはスオミの過去を知る4人の元夫たちが続々と集まり、彼女がかつて愛した元夫たち(遠藤憲一・松坂桃李・小林隆・西島秀俊)と現在の夫(坂東彌十郎)による、誰がいちばんスオミを愛していたか、愛されていたか、というマウントの取り合いが始まる。
失踪したスオミの安否そっちのけで、5人それぞれが知るスオミを語っていくうちに、彼らの記憶のなかのスオミは、性格も見た目もまるで全員が別人であることが明らかになる。
誰の妻が本物のスオミなのか? スオミは何人もいるのか? そして、なぜスオミは失踪し、どこで何をしているのか? スオミの正体とは?
ストーリーが進むに連れて謎は深まっていくばかり。不可解なスオミの行動の理由と目的を、彼女が愛した5人の男たちが推理していくミステリーコメディだ。
本作には、演劇界出身の三谷監督らしいこだわりがあふれている。ほぼ屋敷内のワンシチュエーションで、登場人物たちの会話劇を中心に回想シーンが織り交ざって物語が進んでいく。まるで生の舞台を見ているかのような芝居が存分に堪能できる作品だ。
こうした会話劇をメインにする映像作品は少なくないが、本作が特徴的なのは、とにかく登場人物1人ひとりのセリフが長く、シーンはカットを割らず、長回しで撮影されていること。それにより、舞台演劇の臨場感と緊迫感がスクリーンを通してひしひしと伝わってくる。
本作でこうした演劇的な映画を撮るための撮影スタイルにこだわった三谷監督は、芝居に厚い信頼を置く俳優たちをキャスティングし、映像作品としては異例の撮影1カ月前からのリハーサルを敢行した。
スオミ役の長澤まさみのほか、超多忙な日本のエンターテインメントシーンを牽引するトップ俳優たちと三谷監督による、1カ月にわたる入念なリハーサルが行われたのだ。本作は、そのセッションがあったからこそ成立したであろうクリエイティブの光る映像作品になっている。
三谷作品の集大成となる傑作か
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