三谷幸喜「5年ぶり新作」に入り交じる期待と不安 「スオミの話をしよう」は傑作となるか、酷評か
東洋経済オンライン / 2024年9月11日 11時0分
もともと演劇界の人である三谷監督が、思いきり自身の原点に振り切って制作に挑んだ本作は、前述の韓国の映画祭ディレクターの言葉を借りれば「三谷作品の集大成となる傑作」。その言葉どおりだと感じる。
撮影スタイルから、舞台演劇的な芝居演出、映像作品としての見せ方まで、三谷監督が舞台演劇に寄せることにこだわった映画作りへの挑戦が、結果として、こういう作品になった。
人によって評価が分かれそうな作品
一方で、クセが強い作品でもある。一般的な映画よりも、人によって感じ方や評価が大きくわかれそうな映画でもある気がする。
そういえば、酷評された『ギャラクシー街道』も演劇的な映画だった。もしかすると、似ていると感じる人も少なくないかもしれない。
いずれにしても今年の話題作になることは間違いない。エンターテインメントシーンを牽引するクリエイター・三谷幸喜監督の思いが詰め込まれた最新作は、自分の人生を豊かにするためにも、世の中の話題に取り残されないためにも、鑑賞する意味のある映画だ。
武井 保之:ライター
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