初代から8年、2024年の「AirPods」は何が違う? 初代から8年、最新AirPodsを買うなら、この後の展開も念頭に
東洋経済オンライン / 2024年9月12日 14時30分
AirPodsの成功を確実なものにしたのが、2019年に発売されたAirPods Proだ。
逆位相の音を出して周りの音をキャンセルするアクティブノイズキャンセリング(ANC)を搭載しており、耳に入れた瞬間に「シ〜ン……」と静かになるのは衝撃的だった。
通勤時の電車内など、音量を上げなくても音楽がよく聴こえるのは新しい体験で、ANCワイヤレスイヤホンブームを築くこととなる。
シリコン製のイヤーチップを耳の中に入れるので、いわゆるカナル型と言われるいやほんと思われがちだが、実は違う。形状の基本思想はスタンダードAirPodsと一緒で、軸の部分をカウンターウェイトとして耳に引っかける構造だ。イヤーチップはノイズキャンセリングのために空間を遮断するためのもので、イヤホンを耳に固定する役割は担っていない。
2022年に第2世代が発表され、アクティブノイズキャンセリングの改良などが行われたが、後にこのモデルは立体的な音楽を楽しめる空間オーディオへの対応、USB-Cケースの追加発売など、アップデートが行われ続けた。
今回、さらなる機能を追加して、「AirPods Pro 2」として発表されたが、モデルチェンジはしておらず、「AirPods Pro(第2世代)」と同じ商品だ。AirPods 4の発売に合わせ、呼称が変更したと思われる。
AirPods 4には2種類あり
今回の新製品、AirPods 4は初代からのオープンイヤー型の系統だ。
2万1800円のスタンダードモデルと、2万9800円のアクティブノイズキャンセリング搭載モデル(ケースが「探す」機能とワイヤレス充電に対応)、3万9800円のAirPods Pro 2の3つが現在のラインナップとなっている。
2つあるAirPods 4は、外見も同じようなので、識別が難しい。価格だけでなく、使い勝手も異なる。
AirPods 4のノイズキャンセリングは、試してみるまではなんともいえないが、ユーザーの利用目的によってニーズが異なると思う。AirPods Pro 2のピタッと密着して外部音が聞こえなくなる感覚に恐怖を覚える人もいるというし、そもそも窮屈で嫌いという人もいる。
密閉感が少ないほうが好みであれば、AirPods 4のノイズキャンセリングモデルを試してみるといいだろう。
なお、AirPodsは、メルカリなどで中古品を求めるのはお勧めできない。AirPodsのバッテリーは非常に小さいため、利用状況にもよるが、だいたい2年で劣化する。安いからとバッテリーが劣化した製品を買ってしまうと、実際に使える期間は短いということになる(保証期間外のバッテリー交換は、本体が買えるほどの価格になる)。つまり、やはり上記3機種の新品購入がお勧めということだ。
将来のことも考えると…
Proがいいという人が気に留めておくべきなのが、心臓部にH2チップを搭載したAirPods Pro 2が発売され、すでに2年が経過している点だ。
来年にかけて、Apple Intelligenceでの利用に最適化されたH3搭載のAirPods Pro 3が出ることは充分に考えられる。AirPods 4はともかく、今AirPods Pro 2を買うなら、その展開は想像しておいたほうがいい。
なお、AirPodsのラインナップには、オーバーイヤータイプのAirPods Maxもある(8万4800円の高級ヘッドホンであることから、本稿では選択肢から省いている)。こちらは新要素としてUSB-C充電の対応とブルー、パープル、ミッドナイト、スターライト、オレンジの新カラーが案内された。
村上 タクタ:編集者・ライター
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