1. トップ
  2. 新着ニュース
  3. 社会
  4. 社会

高市氏「ネット人気断トツ」も総裁選で苦戦の理由 保守派分裂・伸びない女性支持に"付き合い下手"も

東洋経済オンライン / 2024年9月12日 8時0分

出馬表明する高市経済安保相(写真:時事)

高市早苗経済安保相(63)が9日、自民党総裁選(12日告示・27日投開票)への出馬を表明した。かねて「初の女性首相」を目指してきたのが高市氏。岸田文雄首相(党総裁)が当選した3年前の前回総裁選では、国会議員票で岸田氏に次ぐ2位となるなど善戦し、永田町でも「次は高市」の声も少なくなかった。

しかし、今回の高市氏の戦いぶりは前回とは一変。各種世論調査で“2強”とされる小泉進次郎元環境相(43)と石破茂元幹事長(67)に対し、「断トツのネット人気」の割には、前回健闘した国会議員票も伸び悩み、党員・党友票も、小泉・石破両氏の後塵を拝しているのが現状だ。

その背景には、候補者乱立による「保守派の分裂」があるとみられている。最初に出馬表明した小林鷹之元経済安保相(49)は、前回総裁選では高市氏の推薦人だった。さらに、高市氏に続いて10日に出馬表明した加藤勝信元官房長官(68)も党内保守派の一角を占め、主張した政策もほとんど高市氏と重なっている。

さらに、「女性週刊誌の調査などでの女性人気の少なさ」(政治ジャーナリスト)も指摘されている。確かに、11日に滑り込みで出馬表明した上川陽子外相(71)の推薦人は所属していた旧岸田派(解散済み)や他派閥の女性議員が多数を占めているが、高市氏を推しているのは男性議員が多い。加えて「政策勉強を優先してきたための人付き合いの下手さなど、長所よりも弱点が目立っている」(同)のが現状とみられている。

キャッチコピーは「サナエあれば、憂いなし。」

高市氏は、9日午後2時からの出馬表明会見で、背景に「サナエあれば、憂いなし。」とのキャッチコピーを掲げ、「国の究極の使命は、国民の皆様の生命と財産を守り抜くこと、領土領海領空、資源を守り抜くこと、そして、国家の主権と名誉を守り抜くことだ」としたうえで「この使命を果たすためにも、今、総合的な国力の強化が必要。それは外交力、防衛力、経済力、技術力、情報力で、すべてに共通するのが人材力。この6つの力をそれぞれに伸ばし、互いに伸ばし合う相乗効果を狙っている」と出馬の理由を力説した。

さらに「日本には底力がある。日本をもう一度世界のてっぺんにすることができる」と経済成長の必要性を訴えた。政権構想も含めた出馬会見は他候補の倍近くとなる約1時間の「高市独演会」となり、記者団との質疑応答は約30分にとどまった。

ただ、質疑の中で「憲法改正の国会発議をいつまでに目指すのか」との問いには「他党の理解を得て、少しでも早く国民投票をしてもらえる環境をつくるために頑張りたい」とあえて期限に言及することは避けた。また、各候補の主張が分かれている、いわゆる「裏金議員」の選挙での公認・非公認や要職起用の是非については、「自民党の処分は決まっている。党で決めた処分をひっくり返すような独裁的な行動はとらない」と繰り返したが、その対象となる旧安倍派議員らへの配慮が透けて見えたことで、小泉、石破両氏らとの違いが際立った。

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング

複数ページをまたぐ記事です

記事の最終ページでミッション達成してください