進次郎氏、小林氏、石破氏「米国での意外な評価」 アメリカが求めているのはどんな総裁なのか
東洋経済オンライン / 2024年9月12日 8時0分
これらの候補者たちは、アメリカ側からは今のところ、同盟関係にとって深刻な問題とはみなされていない。ただし、右翼の旗手であり、安倍元首相のよりナショナリスト的なアジェンダのイデオロギー的後継者として自らを位置づけている高市氏は別だ。
「高市氏はアメリカ側の人間を神経質にさせるだろう」とハリス氏は言う。 日本の戦没者を祀る靖国神社への公式参拝を計画するなど、戦時中の歴史問題に対する彼女の挑発的な姿勢は、「韓国との三国間関係におけるリンゴ箱をひっくり返すことになりかねない」(ハリス氏)。
こうした懸念は小泉氏や小林氏にも及んでいる。2人とも靖国を参拝し、韓国との関係を悪化させる懸念を持たれている。
高市氏はワシントンのタカ派、特にトランプ支持者の間で、同氏が中国と軍事的に対決する意思が強いと見ている人たちにアピールしている。「彼女はワシントンの一部の人々が望んでいるのと同じことを望むだろうし、ワシントンの人々も彼女と協力する方法を見つけるのではないか」と元政府高官は推測する。
石破氏の評価は「日本のド・ゴール」
一方、石破氏はおそらく、アメリカ人の間で最も興味をそそられ、日本にとって難しいリーダーになる可能性のある人物だろう。防衛相としての経験と兵器開発への関心から、国防総省では一定の支持を得ている。しかし、彼は「日本のド・ゴール」、すなわち日本がより独立した道を切り開くことを望む人物という評価を受けている。
「石破氏は誠実だ」とハリス氏はいう。「彼は自分の考えを言うし、日本の利益にならないならアメリカの思い通りにはしないという伝統の持ち主だ」。
ハリス氏は、石破氏を河野氏と比較し、2人とも日本製鉄のUSスチール買収を防ごうとする保護主義的決定に批判的であることを指摘した。2人とも「ノーと言える日本」を象徴している。
石破氏は、特に第2次トランプ政権下でのアメリカの信頼性について、日本で広く抱かれている懸念をより率直に反映している。「石破氏とトランプ氏が一緒になって負担の分担について話すのは、興味深い会話になるだろう」と元高官は言う。「彼は得るものすべてを与えるのではないか」。
旧安倍派閥のもう1人の候補者である小林氏は、ワシントンで関心を集めており、第2候補として浮上する可能性があるとの見方もある。高市氏に比べれば好意的に見られている。
小林氏は「非常に聡明で、コミュニケーション能力に優れ、アメリカでの経験もある」と元高官は話す。「彼は若く、興味深い人物で、おそらくアメリカ政府とも一緒に仕事ができるだろう。首相になれば本当に決断を下すことになる人物だ」。経済安全保障に対する小林氏の関心の高さは、アメリカの政策立案者の間でも高く評価されている。
進次郎氏についてはどう思っているのか
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