日本の大問題「"組織カルチャー"の変革」の秘策 ポイントは「"LOFT"カルチャー」!専門家が解説
東洋経済オンライン / 2024年9月13日 9時1分
思い切り力を発揮し、自己実現できる環境を整えてきたからこそ、世界中から優秀な人材が集まり、新たな価値を生み出すことができている。
そして、従業員がのびのびと働ける環境づくりに投資を惜しまず、お金をかけてきた。
日本企業は「カルチャー」に投資してこなかった
これまでの日本企業は、「人材に投資する」とは言ってきたが、「カルチャーに投資する」とは言ってこなかった。
しかし、人材と組織カルチャーは「ワンセット」で考えるべきものである。健全で良質な組織カルチャーがあってこそ、人材はいきいきと働けるのである。
サントリーホールディングスは2022年3月に、それまでの「ヒューマンリソース本部」という名称を「ピープル&カルチャー本部」へと変更した。
これは、たんなる名称変更ではない。
人と組織・風土改革を一体のものとして捉え、継続的な成長を実現できる人づくり、組織づくりを推進するという経営の意志のあらわれである。
「LOFT」なカルチャーを形成するには、まず役員や部長などマネジメント層の意識、変革、行動変容が不可欠である。
トップ自らが変わらなければ、組織カルチャーを変えることはできない。
体系的なマネジメント研修を導入し、心理的安全性やコーチングに関する知識や「1on1」(1対1の個人面談)のスキルなどを学び、自己流のマネジメントから脱却しなければ、「古い組織カルチャー」はなくならない。
意識や行動を変えられないマネジメント層は「退場」させることも必要だ。
じつは、これまでの日本企業はストロングタイプの強面の役員や管理職を抜擢、登用しがちだった。業績面で成果を上げ、一見頼もしいリーダーのように見えるからである。
しかし、現実を見れば、そうしたストロングタイプが率いる組織の風土は著しく傷んでいるケースが多い。上意下達で、誰もものが言えない風土が形成されてしまったのだ。
人事は「経営の最大のメッセージ」
人事は「経営の最大のメッセージ」である。
どのような人が評価され、昇進するのか。そこに、その会社のカルチャーがあらわれている。
「上からの変革」が起きなければ、組織カルチャーの刷新は実現しない。
しかし、「上」だけが変わろうとしても、「新しい現場力」は生まれない。なにより大事なのは、現場自らが働く環境を能動的に変えていくことである。
これを私は「現場からのカルチャー変革」と呼んでいる。
健全で良質な組織風土は、誰かが与えてくれるものではない。
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