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「サバイバル漫画」が描く"災害で崩壊した世界" 大きな災害に見舞われた時、人はどうなるのか

東洋経済オンライン / 2024年9月13日 13時0分

左から、さいとう・たかを『サバイバル』、望月峯太郎『ドラゴンヘッド』、山田芳裕『望郷太郎』

元日に発生した能登半島地震は、いまだ現地に大きな傷跡を残したままだ。南海トラフ地震臨時情報を受け、東海道新幹線が速度を落として運行、海水浴場閉鎖などのニュースは記憶に新しい。関東大震災から101年、いつまた巨大地震が来てもおかしくない。地震のみならず、気候変動による災害も気にかかる。

【画像】さいとう・たかをが大地震によるカタストロフを、オリジナルストーリーで描いた『サバイバル』

大きな災害に見舞われたとき、人間はどうなるのか。漫画家たちが想像力を駆使して描いたサバイバルマンガは、いざというときのシミュレーションの役割も担っている。

大地震によるカタストロフを描いた『サバイバル』

敗戦の焼け野原から驚異的な復興を遂げた日本。しかし、急激な経済成長のひずみが公害や交通事故の深刻化という形で噴出したのが1970年代だった。1973年のオイルショックによって、かつてのSFが描いた“バラ色の未来”や科学信仰は崩壊。代わりに世の中を覆ったのが終末論であり、オカルトである。

五島勉『ノストラダムスの大予言』がベストセラーになり、スプーン曲げのユリ・ゲラーが超能力ブームを巻き起こす。小松左京『日本沈没』が大ヒットしたのもこの頃で、同作はさいとう・たかをによってマンガ化もされている(クレジットはさいとう・プロ)。そのさいとう・たかをが再び大地震によるカタストロフを、オリジナルストーリーで描いたのが『サバイバル』(1976年~1978年)だ。

中学生の少年が夏休みに友人たちと洞窟探検していたところを大地震に見舞われる。なんとか一人だけ脱出したものの、あたりの景色は一変。周囲の陸地が海に沈み、離れ小島に取り残されたような状態になっていた。そこから彼のサバイバル生活が始まる。

なんといっても、まず必要なのは食料だ。川に魚がいるのを発見した彼は、木の枝をナイフで削ったモリで突こうとするが、うまくいかない。次にリュックで簗(やな)のような仕掛けを作るも水圧で流されそうになる。そこで今度はリュックの底にパンチ状の穴を開け、再チャレンジ。何度か空振りするものの、ついに魚を捕まえることに成功する。

いきなりそんなことができるのもすごいが、竹と蔓草で弓矢を作ったり、折れ釘で釣り針を作ったり、ワナを仕掛けて獲ったウサギの皮をなめしたりと、どんどんスキルアップしていく。あげくの果ては、石弓や投槍器でクマやカモシカを倒して解体し、肉を燻製にして保存するところまでやってのけるのだから、たくましいにもほどがある。

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