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子宮頸がんで逝去、医師で母の彼女が遺した思い 娘を持つすべての女性に伝えたい「大切なこと」

東洋経済オンライン / 2024年9月13日 10時0分

さらにショックな告知が続く。

当初は腺がんの早期だと言われていたのに、組織を採って調べる生検の結果、希少で予後の悪い「小細胞がん」であることが判明したのだ。医師からは、余命はおよそ1年ほどだろうとも伝えられた。

居原田さんは、この告知を受けた際のことをご自身のブログにこう書き残している。

「パパと一緒に、診察室出てから大泣きしました。

まだ末っ子なんて一歳なったとこで、ママっ子全開なのに、パパが4人育ててていくのとか想像して、

涙が止まらなかった」

(居原田麗オフィシャルブログ『女医R〜そんな女の独り言~』より。原文ママ)

子どもたちの前では泣かない

それでも、もともと前向きで努力家の居原田さんはすぐに気を取り直し、子どもたちや夫、クリニックのためにも病と闘うことを決意する。その姿を見ていた河原さんは……。

「妻は最初こそ当然ショックを受けていましたし、それ以降もブログでは少し弱音を吐くことはあったようですが、私や子どもたちの前では泣くことさえなく、常に明るく前向きでした。本当に強い人だと思いましたし、今も心から尊敬しています」

居原田さんは3月に入院し、広汎子宮全摘出術(卵管、卵巣、腟および子宮周囲の組織を含めた広い範囲を摘出し、さらにリンパ節の切除を行う)を受けた。幸いにも目に見える範囲ではすべてを切除することができた。

しかし、2021年8月には肝臓とリンパ節への転移が見つかる。

11月には転移した肝臓の一部とリンパ節を切除する手術を受けたものの、2022年1月には臓器から腹膜へとがん細胞が広がる「腹膜播種」、2023年には3カ所の骨転移があることがわかる。

度重なる手術や、抗がん剤や放射線などによる治療の苦痛に耐えながらも、仕事にも子育てにも前向きに取り組み続け、さらにはたくさんのブログを書き残した居原田さん。残念ながら、今年1月に帰らぬ人となった。

「ずっと近くで彼女が病と闘う姿を見てきて、クリニックのスタッフや家族を愛する姿を見てきて、1日1日を一生懸命生きることを教えられた思いです。彼女を亡くしてまだ8カ月。日々つらい思いはありますが、周囲の人や子どもたちに支えられています」と河原さん。

こうして子宮頸がんという病と闘い続けた居原田さんが、2021年1月21日のブログに綴ったのは、HPVワクチンのこと。

「HPVワクチン」について書きたい

そのブログは「先生のような人が呼びかけないといけない、と主治医に言われた、子宮頸がんワクチンについて、今日は書きたいと思います」という一文から始まる。

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