進次郎氏への「失礼質問」が暴いた低迷日本の縮図 「弱点を補ってくれる仲間を作る」の重要性
東洋経済オンライン / 2024年9月13日 10時0分
しかし、小泉氏が語ったように、足りないところを補い合うことができれば、もっと気楽に仕事ができるだろう。
社会学者の宮台真司氏も「凸と凹の噛み合い」の重要性を説いている。
英語ができなくても英語ができる人を頼り、体力がなければ体力のある人を頼る。すべてを1人で完璧にこなそうとするのはコストが高すぎる。だからこそ、お互いの得意な部分を活かし合うことで、集団全体の生産性を高めるのが賢い生存戦略だ。感覚的な話ではなく、数理的に考えてあたりまえの話なのだ。
アップルを創業したスティーブ・ジョブズも、「人に助けを求めることが成功の基盤だ」と語っている。
最近、金融経済教育に力を入れる学校が増えている。私も高校などで講演する機会があるが、その際には「今日は、お金よりも仲間のほうが大事なことを証明します」と語りかけている。
これは道徳の話ではない。お金という道具の意味を理解すれば当たり前の話なのだ。
「お金という道具」の役割
お金が存在しなかった時代、人々は村の中で協力し合いながら生活していた。お金が発明されると、村の人に直接頼らずとも、支払いによって必要なものを手に入れられるようになった。
しかし、それはお金が物に変わるということではない。お金を支払うことで、まったく知らない人の協力を得られるようになったのだ。お金とは、協力し合う仲間を増やすためのシステムなのだ。
では、「仲間を増やすためには、お金を増やせばいいじゃないか」と思うかもしれないが、これはまったく反対だ。
「お金を増やしたい」という目標を掲げても、誰もあなたに協力しようなんて思わない。あなたがお金を増やすことは他の人にとってまったくどうでもいいことだからだ。
協力してくれる人がいないから孤立化がすすみ、自分1人でいろいろ頑張らなきゃいけないと考えるようになる。さらに、頼るものはお金しかないから、お金を増やすことを考えて協力者が現れないという悪循環に陥っていく。
それよりも、人を楽しませるとかみんなの不便を解決するとか、他の人の幸せが含まれる目標を見つければ、仲間はたくさん増えて、いろいろなことが実現しやすくなると学生向けに話している。
社会全体では、そもそもお金を増やすことができない。最近、利上げが行われて、金利によって全体のお金が増えると信じている人もいるのだが、そこには大きな誤解がある。
拙著『きみのお金は誰のため』では、お金と社会の仕組みを説明しているが、お金を奪い合うことよりも、未来を共有することの重要性を経済的な視点から説明している。
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