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日本の里山を「食材の宝庫」に変える32歳の挑戦 シナモン、胡椒…国産「可食植物」で狙う林業再生

東洋経済オンライン / 2024年9月13日 9時0分

32歳の起業家が日本の「可食植物」に見出した価値とは?

働く人の「今」にフォーカスし、その仕事像に迫る「ドキュメンタリー 仕事図鑑」。第3回は、調香師・フードプロデューサーとして活躍する古谷知華氏。東京大学工学部建築学科を卒業後、広告代理店を経て、「日本草木研究所」を創業。日本各地の里山で可食植物を蒐集し、新たな価値を見出す古谷にとっての「仕事」とは。

※記事の内容は動画「ドキュメンタリー 仕事図鑑」の取材における本人のインタビューを基に再構成したものです。外部配信先では動画を視聴できない場合があるため、東洋経済オンライン内、または東洋経済オンラインのYouTubeでご覧ください。

「日本にはないの?」気になって森へ

――「日本草木研究所」とは?

【東大卒の起業家が「食」で挑む林業再生】匂いをかぎまくる32歳/クラフトジンの原材料「ネズミサシ」を求めて広島の山へ/可食植物に見出す新たな価値

2021年の冬に立ち上げた、日本の可食植物を研究するブランドです。北海道から沖縄までいろいろな山に入っては、そこでおいしい植物、香りのいい植物を蒐集して、活用法を研究しています。

食べ物としての植物に興味を持ち始めたのは、今から6~7年前のこと。私自身、もともとスパイスやハーブが好きで、ふと「日本の森にそういったものはないのか?」と思ったのがきっかけです。スーパーなどでは販売されていなかったので、本当にないのか、それとも使われていないだけなのか、気になって森に入り始めました。

実際に行ってみると、日本の森にもシナモンや胡椒の木が生えているんですね。「けっこうあるじゃん!」と驚きました。そこから事業に発展させていき、今に至ります。

山に入っていく中では、林業の(持続可能性という)課題にも出くわします。最近は「この樹種がお金になりそうだ」といったこともかなりわかってきたので、もともとその木が生えているエリアで数を増やして、供給量を上げていく取り組みなど、より産業化に向けた動きも取っています。

――里山の開拓はどのように行っていますか?

全国にいる山主(やまぬし)さんと「相棒山」というパートナーシップを築いて、サプライチェーンを作っています。日本の森をいい形で残していきたい、活用していきたいと思っている協力者が全国にいる形ですね。

具体的には、北海道、本州、沖縄の、全部で20カ所くらいの山主さんと提携していて、その皆さんに季節のものをいろいろ収穫してもらって。そのままレストランに卸すこともあれば、われわれのブランドの商品に落とし込むこともあります。

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