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兵庫県知事が全力で辞任を拒む「3つの拠り所」 「辞めるタイミング」を逃した大きなリスク

東洋経済オンライン / 2024年9月13日 18時35分

記者会見に応じた兵庫県の斎藤知事(写真:時事)

辞めるタイミングを逸した代償が非常に大きいことを、兵庫県の斎藤元彦知事はいまだ理解していないかもしれない。兵庫県議会の自民党、公明党、ひょうご県民連合、日本共産党の4会派および無所属議員は9月12日、斎藤知事に辞職を申し入れた。

【写真】阪神タイガースのユニフォームから外国製と見られる剣まで兵庫県の知事室に並ぶ贈答品の数々。一部は「おねだり」したという疑惑も

県議会の「解散」もちらつかせはじめた

だが斎藤知事はそれを頑なに拒否している。それどころか、「(19日に始まる9月議会で)しっかりと補正予算、県民生活を支えるための予算を100億円用意させていただこうと思っていますから、それをしっかり審議いただいて成立することも大事です」と、補正予算を“人質”にするかのような発言を行った。

さらに「不信任案が提出・可決されれば、私としては法律にのっとってさまざまな選択肢がありますので、それをしっかり考えていくということです」と、議会の解散をもちらつかせた。

斎藤知事はその前日、記者団に対して「こういう状況になったことは申し訳ないなと、自分自身に対して悔しい思いだ」と、3年前の知事選で応援してくれた自民会派の議員の名前を出して涙を流した。斎藤知事を庇い続けた日本維新の会が9月9日、その態度を一転させて辞職と出直し選挙を求める申し入れをしたことも影響したに違いない。

長らく副知事経験者が知事に事実上「昇格」してきた兵庫県政だが、2021年7月の知事選でその“慣習”は破られた。

5期20年を務めた井戸敏三前知事の後継者は、通算15年間も兵庫県政の中枢を担った金澤和夫元副知事だったが、総務省での後輩官僚だった43歳(当時)の斎藤知事に25万8000票も差をつけられて敗北した。

斎藤知事の応援に力を入れていた維新

勝因は大阪府財政課長だった斎藤知事に、維新の応援が付いたことだった。自民党本部からの推薦を受けた斎藤知事だが、日本維新の会は投開票日前日の7月17日に松井一郎代表(当時)と吉村洋文副代表(当時)がともに三宮駅前で演説を行うほど、斎藤知事の応援に力を入れていた。

「僕の時代に財政課長で来てもらって、吉村さんとは2年一緒に働いて、役所の中のお金の使い方のおかしいところは全部わかってますから、斎藤さんを兵庫県に、県庁に送り込んで、内向きのお金の使い方を改めさせましょう」

吉村氏の前に大阪府知事を務めた松井氏はこう述べて、維新と斎藤知事との“上下関係”を示唆している。斎藤知事もその期待に応えるべく、当選後は県立大学・大学院の授業料無償化など「維新流の政策」を忠実に実行しようとした。

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