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「太ると病気になる」という不安が招く深刻な弊害 幸福感を犠牲にした食生活では健康になれない

東洋経済オンライン / 2024年9月14日 16時0分

繰り返しますが、長期間にわたって炭水化物の摂取を大幅に減らすと、心臓病による死亡率が50%近くも増加するという報告もあります。

無理なダイエットがもたらす、さまざまな「弊害」

つまり、炭水化物の摂取量を減らしてしまうと、そのためにたんぱく質が代理で使われるため、本来たんぱく質が担うべき役割を全うできなくなってしまい、からだにさまざまな不調を生じさせてしまうのです。特に、高齢者は注意が必要です。

一方、若い女性では、スタイルや美を意識して、無理のあるダイエットをしがちです。炭水化物=太る、野菜=健康的という短絡的なイメージから、ご飯を抜いてサラダだけといったバランスの悪い食生活を続けていると、間違いなくエネルギー不足になってしまいます。

そんな生活を続けていたら、毎日元気に活動するエネルギーがありませんから、疲れやすく体力気力も続かないでしょうし、筋肉や骨といったからだの組織も弱々しいものになっていってしまいます。

事実、やせすぎている若い女性が増えています。さらに、やせすぎの女性の出産により、低体重で生まれてくる子供が多くなっていることが問題となっています。2500グラム未満で生まれた子供は「低出生体重児」と呼ばれ、そうした子供は、将来肥満や糖尿病などの生活習慣病になるリスクが高まる可能性があることが報告されています。

間違った健康法は、自分のからだの健康を損ねるだけでなく、子供の将来にも悪影響を及ぼすのです。

炭水化物が健康維持に欠かせないのは、糖質がエネルギー源になるためだけではありません。実は炭水化物の中には「食物繊維」がたっぷり詰まっています。

つまり、炭水化物を食べないことは、そのまま食物繊維不足に陥ることを意味しているのです。炭水化物を制限すると便秘になる人が多いのはこのためです。

「第6の栄養素」といわれる食物繊維の存在

歴史的に見れば、食物繊維は消化吸収されず、エネルギーとして活用できないので、人間のからだに必要ないもの、という見方がされてきました。
しかし、近年では、食物繊維がさかんに研究され、私たちの健康の重要なカギを握っていることがわかってきました。

「栄養にならない」「不要なもの」といった評価は今やガラリと変わり、「第6の栄養素」といわれる地位にまで格上げされました。

この食物繊維は私たちの健康をつかさどる腸内環境を維持するために重要な働きをしているのです。つまり、炭水化物を充分に摂らないと、腸内環境が悪化し、さまざまな不健康を呼び込むことにもなるのです。

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