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すかいらーく「資さんうどん」買収がおいしい訳 双方にとってのメリットを検証してみた

東洋経済オンライン / 2024年9月14日 10時0分

すかいらーくHDには、和食レストランの「夢庵」や「藍屋」があるが、うどん専門店は傘下にない。資さんうどん買収は 業態ポートフォリオを豊かにしながら、店舗数を増やしていける点にメリットがあると言えるわけだ。

すかいらーくHDは、コロナ禍で「ガスト」や「ジョナサン」といった主要ブランドを含む店舗を大量に閉店させているため、ポストコロナ社会で次の成長の柱に育てられるという期待もあるだろう。

片や資さんうどんも、近年の積極的な出店戦略をとっているものの、長年北九州を中心に展開をしてきたが故に、全国で展開していくノウハウがない。それが2番目のメリットにつながる。

はなまるうどんは、かつて店舗の拡大に苦戦した過去がある。東京に1号店を出した当時は、セルフ式の讃岐うどんの店舗がめずらしかったこともあり連日大盛況となり、順調に店舗数も伸ばしたが、急拡大の結果、人材や商品の品質に支障が出るように。そうした課題の解決の手段として吉野家HDの傘下に入り、店舗数を伸ばしていくことになった経緯がある。

この事例からもわかるように、店舗の拡大にはノウハウが欠かせない。その点、すかいらーくはいくつものブランドを抱え、6月末の店舗数は2964を超えるのでノウハウは蓄積されている。

店舗を拡大させる際、特に大きな壁になるのが、物件と食材、そして人手の確保で、それは、そのまま飲食店の3大コストといわれる家賃、原材料費、人件費につながる。

現在、家賃と原材料費が高騰し、人手不足に伴う人件費の高騰が続く中、いい物件を見つけ、適正な仕入れを行い、必要な人手を確保する難易度は、数年前よりも上がっていると言える。だからこそ、豊富なノウハウを持つすかいらーくHDの傘下に入るメリットは大きい。

DXのノウハウを得ることができる

中でも大きなアドバンテージになりそうなのがDXの推進である。すかいらーくHDは、今のファミレスになくてはならない「呼び出しベル」や「ドリンクバー」などをライバルに先駆けて導入し、新しい業界の基準を作ってきた。それはDXの推進でも同じ。コロナ禍でネコ型の配膳ロボットをいち早く導入し、話題を呼んだことを覚えている方も多いのではないだろうか。

資さんうどんは、うどんだけでなく、丼ものやカレーライスなども提供しており、効率化が必須の業態。店舗が拡大すればするほど、誰がやっても同じ水準でできるオペレーションの確立も必要だ。そうした環境をつくる上で、すかいらーくHDのノウハウが生かされるのはないか。

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