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すかいらーく「資さんうどん」買収がおいしい訳 双方にとってのメリットを検証してみた

東洋経済オンライン / 2024年9月14日 10時0分

すかいらーくHDの傘下に入るメリットとして、一番大きいのが出店場所の選択肢が増えることだ。すかいらーくHDは店舗数もさることながら多様なブランドを持っているからこそ、豊富な物件情報を持っている。

同社ブランドであれば失敗する確率も下げられるため、入ってほしいと考えている物件オーナーも少なくないだろう。いい条件でいい物件に入ることはブランドの成功に欠かせない。その点だけを取っても、資さんうどんには大きなメリットがある。

狙い目はフードコートへの出店

その1つがフードコートへの進出だ。これまですかいらーくHDは、ロードサイドでの展開を強みとして、店舗の拡大を図ってきたが、5月31日に発表された「統合報告書 2023」の中で、「商業集積地区への出店」や「大都市圏の私鉄沿線駅前への出店」「地方都市の駅前への出店」「地方中規模都市への多業態出店」の可能性に触れている。

駅前立地でいうと、かつて「Sガスト」というカウンター席中心の業態を開発し、首都圏の駅前に展開を行っていたことがあるが、2020年7月で店舗が閉店したという経緯がある。

これはどういう意味かというと、ロードサイドだけでなく、駅前のある程度坪数の小さな物件情報も持っているということだ。そこに、資さんうどんが入ることも予想される。

資さんうどんは、この7月に3日間限定で、東京でポップアップを展開し、ミシュランガイド、ビブグルマン3年連続受賞の「香川一福」の隣という立地だったにもかかわらず大盛況を博しており、駅前でも成功するポテンシャルを持っている。

また、それが布石となり、商業集積地の1つの選択肢としてショッピングモールのフードコートへの出店も考えられる。フードコートに行ったとき、うどん店に行列ができているのを見たことがある人も多いだろう。特に多いのが家族連れだ。キッズメニューを用意して、おまけを付けているお店も少なくない。

すかいらーくは「ガスト」を中心に、家族連れの集客を得意としており、その強みを生かしながら資さんうどんをフードコートで展開することもできるのではないか。

外食業界で注目されるフードコート

現在、外食業界でフードコートに対する関心は高まっている。フードコートはテナント料が取られるものの、ホールがない分、スタッフを雇う必要がない。

また、ショッピングモール自体が集客をしてくれるので、ある程度の売り上げを見込むことができる。そうした背景もあり、コロワイドが「牛角焼肉食堂」というフードコート専門店をつくって急速に店舗を広げたりしている。

施設側も、フードコートは集客装置であるにもかかわらず、どこも似たり寄ったりのラインナップになりがちなので、特徴のあるブランドを入れたいという思いがある。そうしたニーズを資さんうどんが満たしていく可能性も十分に考えられるだろう。

三輪 大輔:フードジャーナリスト

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