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「新旧ジャニ"共演"」で露呈したテレビ局の本音 ジャニーズ事務所謝罪会見から1年で何が変わったのか

東洋経済オンライン / 2024年9月14日 10時0分

そしてテレビ局が慎重なスタンスをとっているもう1つの理由は、「特定グループの一部ファンによる誹謗中傷や、ファン同士のいさかいに巻き込まれたくない」から。

たとえば、解散したグループのメンバーが音楽番組で共演したら、互いのファンが本人たちに厳しい言葉をぶつけたり、「推しの扱いがあっちより悪い」「なぜこんな共演を企画したのか」などと制作サイドを批判したりなどのリスクを避けたいようなのです。

鍵を握るタレントとファンの声

それでもマーケティングの精度に定評のある日本テレビなら、「物足りない」「本当の共演が見たい」という声が多く、コア層(主に13~49歳)の個人視聴率獲得が期待できれば、それを実現させる可能性はあるでしょう。

テレビ局にしてみれば、数字が獲れて、好感度が上がって、リスクが低ければ申し分ないだけに、タレント本人とファンが自らポジティブな声をあげることで、実現に近づいていくかもしれません。

もともと「芸能人はイメージを売る商売」とも言われるだけに、ビジネスを進めるという意味で、タレント自らテレビ局に共演を持ちかけてもいいでしょう。

たとえば、「解散したけど互いをリスペクトしている」「よい意味で競い合っていくために共演したい」というニュアンスが視聴者に伝わって、その結果、好感度や視聴率が上がれば、タレント、ファン、テレビ局の3者がウィン・ウィン・ウィンの関係性になれそうです。

これは音楽番組に限らず、バラエティ、ドラマ、情報番組なども同様。独立した中居正広さんがMCを務める「だれかtoなかい」(フジテレビ系)に、STARTO ENTERTAINMENTの後輩・堂本光一さん、佐藤勝利さん、山田涼介さんが出演したように、明らかにこの1年でそのハードルは下がっています。

まだ「MCとして業界トップの中居さんは特別だから」という段階ではあるものの、事務所の垣根を越えた共演を進めるチャンスであることは間違いありません。

特にSTARTO ENTERTAINMENTと新しい地図やTOBEとの共演は、過去との差が大きく、注目度が高い今こそ大きなチャンス。

テレビ局としても話題性があって視聴率や配信再生数が期待できるうえに、「無用な忖度はしない」というメッセージを伝えられるだけに、彼らの共演を進めるほど局全体のイメージはよくなっていくでしょう。

1つ理想をあげるとしたら、ジャンルこそは違うものの、2014年3月31日に放送された「笑っていいとも!グランドフィナーレ感謝の超特大号」(フジテレビ系)。

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