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だし茶漬けえん「620円朝食」の凄さに膝を打つ朝 忙しい朝、食欲のない朝にうってつけ!

東洋経済オンライン / 2024年9月14日 8時0分

湯葉は豆腐を作る過程で豆乳を煮た時に、表面にできる薄皮をすくい取ったもので、しっとりと柔らかく、口の中に入れるやいなや、ホロホロとほどけていきます。味は非常に淡白で「言われてみれば確かに豆腐っぽい味がするな」という程度。つまりは湯葉に、山椒ちりめんの旨みがたっぷりと染み込んでいます。

だしをかけて、かき混ぜて一緒に掻き込めば、相乗効果でますますおいしい。

自宅で食べるお茶漬けって、余ったご飯に冷蔵庫にある漬物なり梅干しなり、鮭フレークなりを乗せて(もしくはお茶漬けの素をかけて)、お茶をかけて食べるという、「料理と言うのもおこがましいのでは?」というぐらいのお手軽な存在。

だけど、「だし茶漬け えん」は、極上のだしで食べることで、軽食でありながらごちそう感があります。

お馴染みのお茶漬けというスタイルであり、注文したらあっという間に出てくるけれど、家庭ではとてもじゃないけど真似できない深みのあるだしは、わざわざ訪れて食べたくなる味です。

朝は男性に人気・夜は女性が多め?

筆者が今回訪問した店舗は、山手線の駅直結の地下街にあります。細長い空間の左右にカウンターが1列ずつ配置された15席ほどの小さなお店ながら、朝から5人ほどの利用者がいました。

椅子は背もたれなしの丸椅子で、それぞれが2席から3席とばしで座り、黙々と食べています。新しい客がやってきて、1人が券売機前に立つと、誰かが席を立つというループが繰り返され、回転率はかなり高め。

私が店に滞在した間に、お茶漬けを食べていたのは全員が男性でした。女性もやってくるのですが、「お茶漬けを食べるのかな?」と思ったら、揃いも揃ってテイクアウトのおにぎりを買って去っていきます。

以前から「だし茶漬け えん」を、朝食も夕食にもちょこちょこ利用しているのですが、朝はいつも男性客が多めで、夜は女性客が多めです。これって大変興味深い。

飲食店の客層って固定されていることが多いんです。「松屋」はいつ行っても男性客が多いし、「Soup Stock Tokyo」はいつ行っても女性客が多い。「だし茶漬け えん」のように、時間帯によって男女比が変わるって意外と少ないんです。

そういえばお茶漬けって、「朝からごはんをしっかり食べて、1日がんばるぞ!」という男性にもぴったりですし、「夕飯は外食にしたいけど、ハンバーグやラーメンは重いから、サラッと食べられるものを」という女性にもぴったりです。

平日の朝9時前。カウンターの窓ガラス越しに、ひっきりなしに行き交う人々を眺めながら、お茶漬けをすすりつつ、さまざまに思いをめぐらす朝です。

その他の写真はこちら

編集部注:本記事に登場するメニューの価格は、すべて取材時点のものです。昨今の円安、原材料高騰などの影響を受けて価格が改定されている可能性があります。また、店舗によってモーニングの値段・内容は異なる場合があります。

大木奈 ハル子:ブロガー・ライター

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