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「高校ずっと1位」でも"東大不合格"彼が抱く未練 横浜国立大学に合格、一度は進学したものの…

東洋経済オンライン / 2024年9月15日 8時0分

しかし、大学生活2年目に突入した山﨑さんは、東大を目指して仮面浪人することを決意します。

そのきっかけは、「理系の勉強に違和感を覚えたこと」と、「東大に行った先輩に再会したこと」の2つでした。

「大学の同期は明確な目的意識を持って理系学部に来ているのに、私は実験やプログラミングの授業についていけず、理系分野では同期に全然敵わないと思ったんです。そう考えていた6月ごろに、偶然母校の文化祭で東大に進学した先輩に再会しました。先輩から『東大生は面白いよ』と聞いて、また興味が湧き、東大の文系学部に行きたくなりました」

大学1年生のときは自覚していなかった心のしこりが表面化した2年生の夏。1年生の冬にセンター試験を解いたことも、「やっぱり(こうして試験を解くのは)落ちたことが悔しかったんだと思う」と振り返ります。



「母親に浪人をしたいと言ったところ、『やらないで後悔するくらいなら、やってみれば』と許してもらえました。もう一度チャレンジしてみて、それでダメなら諦めもつくと思ってくれていたようです。その代わり、『チャンスは1回だけ』『今の学校は休学せずに通う』という2つの条件がありました」

こうして山﨑さんは志望を理科1類から文科3類に変更し、横浜国立大学での仮面浪人生活を始めました。

大学に通いながら、予備校に通わずに浪人するという厳しい状況に加えて、文系への転向という不利な要素も重なった受験でしたが、1年生のときに解いたセンター試験の過去問では8割を記録して学力を維持できていたため、手応えを感じていたようです。

現役のときと同様に夏・秋2回の模試を受験した山﨑さんは、夏には東大でE判定だったものの、秋になるとC判定を取れるようになりました。

その一方で、山﨑さんはこう振り返ります。

「当時は朝7時に起きて、9時に大学に行き、18時くらいまで授業を受けていました。受験勉強は夕食を食べてから。『さすがにちょっとは勉強しないとな……』と思って夜に受験勉強をする生活でしたが、平日は1日1時間くらいの勉強にとどまっていましたね。休日は4~5時間やっていましたが、真剣に受験勉強だけに取り組めていないもどかしさがありました」

それでも学力が伸びた要因としては、まったく勉強したことがなかった日本史が、勉強するにつれて、点数が取れるようになったことだったそうです。

2浪目も手ごたえがまったくなかった

こうした生活サイクルを続けた山﨑さんは現役時よりは数字を落としたものの、センター試験で89%を記録し、東大の文科3類に出願しました。

「落ちたら横浜国立大学にそのまま残るだけでしたし、受けるのは東大1本でした。現役のときは、手応えはないものの受かるだろうと漠然と思っていたのですが、2年経ってもやはり手応えはまったくなかったですね。とりあえず、自分の実力を最後まで出し切るということだけを考えて受けていたので、試験中の記憶はありません」

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