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「年収や年齢…」同レベル男女の結婚は増えたのか 大企業社員や官僚や政治家が知らない実態

東洋経済オンライン / 2024年9月15日 9時0分

割合だけを見て「同い年婚が増えている。年齢の同類婚が増えている」などと判断するのは短絡的で、むしろ2010年以降は、どの形態も割合の変化はほぼありません。つまり、「年齢の同類婚が増えている」とは決して言えないわけです。

高卒同士の同類婚が壊滅的に減少

次に、学歴の同類婚について見てみましょう。

出生動向基本調査より、夫婦の結婚時期別(1985~2019年)にそれぞれの学歴組み合わせを「高卒同士」「高卒以上大学未満同士」「大卒(大学院卒含む)同士」という学歴同類婚と、「夫が学歴上方婚」「妻が学歴上方婚」の5つに分類したものです。各期間の初婚数と掛け合わせて、それぞれの実数を計算しました。

これで見ると、学歴同類婚とはいえ、高卒同士の同類婚は大きく8割以上も減少しているのに対し、大卒同士(大学院卒含む)の同類婚は6倍に増え、学歴別では唯一増えている組み合わせとなりました。かつて一番多かった高卒同士の同類婚が壊滅的に減少している点が深刻です。

これは、女性の大学進学率の増加とも関係するものですが、とはいえ、妻が夫の学歴より上の形態はそれほど増えていません。これは大卒以上の妻は少なくとも大卒以上の夫を選ぶようになってきていることを示唆します。

最後に、夫婦個人の年収同類婚についても見てみましょう。そのためには、実際に結婚するカップルにおいて、互いの年収の組み合わせを調査しないとなりませんが、結婚した時点でそれぞれどれくらいの年収同士で結婚したのかについて長期的に調査したデータは存在しません。

よって、2012年と2022年の就業構造基本調査より、妻が20代の子無し夫婦を結婚したばかりの夫婦と仮定して、そのそれぞれの年収バランスのデータから、夫婦が同程度の年収同士の数だけを抽出し、「年収同類婚」の割合を推計することとします。

結果から言えば、妻が20代の「年収同類婚」の割合は、2012年で19%、2022年で20%であり、全体としてこの10年間でそれほど増えたというものではありません。ちなみに、2022年において、夫のほうが年収の高い「上方婚」は70%、夫の年収が妻を下回る「下方婚」は10%でした。

互いが相手に求める年収に変化

しかし、「年収同類婚」の分布を夫の個人年収別に、2012年と2022年で比較すると、また違った景色があらわれます。以下がそれをグラフ化したものです。

2012年においては、夫の年収150万~300万円がもっとも年収同類婚数が多く、単純に夫婦で300万~600万円という世帯年収での結婚が多かったということになります。しかし、2022年になると、最頻値は400万~500万となり、夫婦で800万~1000万円の世帯年収に上昇してしまいました。

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