生成AI「使い手」の能力で大きな差が生まれる必然 AIで「人間は何もしなくていい」はあり得ない
東洋経済オンライン / 2024年9月16日 17時0分
問いの質が優れていれば思考の質は自ずと高まる。問いの質が劣るなら思考の質も落ち、そこから生まれる知的成果も陳腐になる。
問いを立てられないことは、うまく考えられないことと同じと言っていい。問いが、思考を決める。思考の原点としての、問い。
日本の教育では、残念ながらこの点があまりに軽視されてきた。いま、僕らは考える力を高めようとしている。だからこそ徹底して、考えることの原点である「問い」にこだわりたい。
ChatGPTをはじめとする生成AIは、プロンプトと呼ばれる指示文を入力することでそれに対する回答を返してくれる。
たとえば「アルゴリズムとは何でしょうか?」というプロンプトを入力して尋ねると、「アルゴリズムとは、問題を解決するためのタスク指示のセットを示したものです」などと即座に答えてくれる。
人間の知的営為さえも担い始めた生成AIは、「もはや人間が考えられることがなくなっていくのではないか」という気にさえさせられる。
しかし実際のところ、AIが生成するアウトプットの質は、投げかけられた問いの質に大きく左右される。
斬新で具体的な仮説のある問いに対して優れたアウトプットを生成する一方、誰もが思いつく表面的で浅い問いからは浅いアウトプットしか返ってこない。
まさしく、Garbage in, Garbage out(ゴミを入れたら、ゴミが出てくる)であり、Quality in, Quality out(高品質なものを入れたら、高品質なものが出てくる)だ。
生成AIによりよい指示を与えるための技術は「プロンプトエンジニアリング」と呼ばれるが、そうしたテクニック論を超えて、その根底には「よい問い」を与えるための人の思考や創造性が通底している。
これからの時代は生成AIを操作する人間の能力が真に試されているのであり、だからこそ僕らはその鍵となる「問いを立てる力」を磨かなければならない。
問いを立てる不安や怖さ、恥ずかしさ
とはいえ、そもそも「問いを立てる」ことについて苦手意識を持っている方もいるかもしれない。
たとえば授業やセミナーなどで「質問はありますか?」とあった際に、教室や会場が無言に包まれる状況を多くの人が経験したことがあるだろう。そのとき、参加者の心の中には次のような心理的な不安、怖さ、恥ずかしさがあるように思える。
「こんなことを聞いたらバカだと思われるんじゃないか」
「当たり前に知っているべきことだったら恥ずかしい」
この記事に関連するニュース
-
XOP、ChatGPTの業務活用のためのプロンプト作成勉強会を9/26に開催
PR TIMES / 2024年9月11日 13時40分
-
AIの指示に従う時代がくるのか? いま「人間に求められるリーダーシップ」
PHPオンライン衆知 / 2024年9月11日 7時0分
-
なぜロジカルシンキングのアップデートが必要か 「そんなわかりきった一般論はいらない」の声
東洋経済オンライン / 2024年9月9日 11時0分
-
「これって実在の人物じゃないの?」初心者でも簡単に作れてしまうAI美女の進化に注目!
よろず~ニュース / 2024年8月24日 11時50分
-
ChatGPTだけじゃない!生成AIを今学ぶべき理由 進化し続けるChatGPT、Gemini、Claudeの現在地
東洋経済オンライン / 2024年8月21日 11時0分
ランキング
-
1アップルウォッチに「睡眠時無呼吸症候群」の検知機能搭載、今月から利用可能に…エアポッズに補聴器機能も
読売新聞 / 2024年9月16日 14時55分
-
2伊外相、中国製EV追加関税支持 中国商務相との会談控え
ロイター / 2024年9月16日 20時11分
-
3首都高イチ「初見殺しのJCT」これで解決!? “予想外の分岐”カラフル化で分かりやすく!
乗りものニュース / 2024年9月16日 16時42分
-
4"悪口"が大問題に発展「キャリア喪失」の「まさか」 チャットや飲み会 愚痴は誰にでもあるが…
東洋経済オンライン / 2024年9月17日 8時0分
-
5「小泉進次郎首相」なら日本株は上昇するだろうか 自民党総裁選で最も株価が上がりそうな候補は
東洋経済オンライン / 2024年9月16日 9時30分
複数ページをまたぐ記事です
記事の最終ページでミッション達成してください