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"悪口"が大問題に発展「キャリア喪失」の「まさか」 チャットや飲み会 愚痴は誰にでもあるが…

東洋経済オンライン / 2024年9月17日 8時0分

加えて、ほかの社員や上層部に関する情報をさらす行為は、秘書の職務に著しく反するとして、厳重注意および、部署異動を決定した。異動先は、東京郊外にある事務センターだ。

K係長本人に証拠となる書き込みのプリントを突きつけると同時に、厳重注意を行うと、納得いかない様子。謝罪の言葉を述べるも、心からのものでないことは明白だった。すると、事務センターへの着任を前に、自ら退職。職場を去っていった。

実は、この行動は我々の読み通りでもあった。プライドの高いK係長なら、本社からの異動を不服に感じて、すぐに辞めると踏んでいたからだ。懲戒処分にしなかったのは、会社側からの、せめてもの温情であった。

人を見下す常務が起こした失態

一般社員のみならず、経営層の中にも、"悪口"がきっかけで職を追われた人もいる。

これは、私がとあるベンチャーに勤めていた際に勃発した、常務取締役のTさん(50歳・男性)のケースだ。

Tさんは超難関大学の出身であり、数々の大手企業で実績をあげた華麗なる経歴の持ち主。キレ者で頭の回転が速く、経営層の中でも発言力が大きい印象があった。

だが、Tさんには一つ、問題があった。それは自分が優秀であるがゆえに、人を見下す癖があることだった。

部下との飲み会や少人数のミーティングで、他者への見下し発言がちらほら。副社長のことを、「あいつ使えねぇよな」と漏らしたかと思えば、執行役員の面々を「あいつら頭、悪いんだよ」と悪態をつくことも多かった。

そんなある日、事件は起きた。Tさんと営業部の部下2名、そして大口取引先の役員、計4人で飲み会が開かれたときだった。お酒が入って気が緩んだTさんは、ついついいつものように、近しい役員たちへの悪態をつき始めた。

部下たちが一斉に凍りついたのは、Tさんがいよいよ社長の悪口を言い出したときだ。

「うちの社長、ボンクラで決断力がないんですよ。彼は一刻も早く辞任したほうがいい。来期は社長交代じゃないですか(笑)」

取引先の役員は「まぁまぁ」と言いつつも、明らかに引いている様子。「これはまずい」と慌てた部下たちは、「T常務の発言は、先方に経営が盤石でない印象を与えてしまったのではないか」と、人事に報告(密告)。Tさんの所業が白日の下にさらされることとなった。

この事態を重く見た人事担当役員は、役員会議にかけ、Tさんの処分が決定。1カ月後の人事発令のタイミングで、「常務の役職を解く」旨を言い渡した。

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