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「折りたたみスマホ」モトローラも新機種投入 "縦折り一筋"での端末展開に未来はあるか

東洋経済オンライン / 2024年9月17日 22時0分

一方で、クラムシェル型には課題もある。「クラムシェル型に対しては、構造的な問題に起因する耐久性への消費者の懸念が見られ、これがその成長に影響を与えているようです」とパーク氏は指摘する。この分析は、motorola razr 50/50sのようなクラムシェル型折りたたみスマートフォンにとって、今後の課題を示唆している。

これに対しモトローラは、具体的な対策を講じている。カスターノ氏によると、razr 50では折りたたみ機構の堅牢性を向上させ、数十万回の開閉テストをクリアしたとしている。

さらに、前モデルから好評だったディスプレイの破損を1回無償で修理するサービスを継続。モトローラ・モビリティ・ジャパン合同会社のキャリアプロダクト部 開発事業部長の伊藤正史氏は「われわれが想定している通りの故障率に収まっておりましたので、今回も継続してディスプレイ交換1回無償というのを提供させていただこうと考えております」と述べている。

折りたたみスマートフォン市場全体の成長は続く見込みで、カウンターポイントは2024年にはスマートフォン市場全体の1.6%、2025年には1.8%まで普及率が上昇すると予測している。

市場拡大の鍵を握るのは、おもに2つの要因だ。1つは、比較的安価な折りたたみスマートフォン、いわゆるローエンド製品の供給量がどこまで増加するかという点。もう1つは、アップルが折りたたみスマートフォン市場にいつ参入するかだ。

アップルが折りたたみスマートフォン市場に参入すれば、ユーザーインターフェイスの作り込みが注目を集めそうだ。縦折り型であればApple Watchで培った小型画面の操作性を生かした製品となるだろうし、横折り型ならiPhoneとiPadの融合したようなデバイスを提案してくれるだろう。

要するに、新製品を打ち出すメーカーが折りたたみの画面をいかに使いこなすかが鍵となると言えよう。現在のところ、アップル参入の兆候は見えないが、その動向が折りたたみスマホのあり方を変えてしまうような影響力があるだけに、先行メーカーも気を緩められないのではないか。

石井 徹:モバイル・ITライター

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