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クレーム電話には「笑顔」が防御となる納得理由 怒りの感情に「同調」することをまず避ける

東洋経済オンライン / 2024年9月18日 12時30分

クレーム電話に対して、自らをガードする術をお伝えします(写真:Graphs/PIXTA)

こんにちは。メンタルアップマネージャ®の大野萌子です。

「電話が苦手」をさらに加速させているのが、クレーマーの存在ではないでしょうか。対面でない分、遠慮なしに暴言を吐かれることも少なくありません。意図が明確でない理不尽なものであれば、なおさら苦痛を感じてしまうと思います。そんな電話への対応方法を、拙著『電話恐怖症』から、一部抜粋・再構成してお伝えします。

怒りは「二次感情」

クレーム電話でトラブルになるのは、相手の怒りがエスカレートしてしまうことです。顔が見えない分、感情がエスカレートしやすく、ストップがきかなくなる傾向があります。その場合は、怒りに同調しないことが重要です。

コミュニケーションの基本は相手の感情に寄り添うことですが、怒りだけは、それが逆効果になります。なぜなら、喜怒哀楽のうち怒りだけは「二次感情」と呼ばれていて、怒りのもとに別の感情があるからです。

喜びや悲しみと違って、怒りは単独ではやってきません。必ず怒りのもとになった感情が、その背後に隠れています。寄り添うべきは怒りにではなく、そのもとにある一次感情です。

元の感情に寄り添わないかぎり、表面にあらわれた怒りに寄り添って静めようとしても、元が解決されていないので、怒りはおさまりません。逆に怒りを否定されたと感じて、ますますエスカレートします。

ですから、相手が怒って電話をしてきた場合、何が怒りを呼んでいるのかを確かめる必要があります。たとえばすぐに電話をしてこなかったことが原因だとすると、そのときの悔しい感情なのか、不安な感情なのか、困った感情なのか、大元の感情をしっかりつかんでそちらにフォーカスすれば、クレームはおさまりやすくなります。

相手の意向を探る

ではどうやって、大元を探り当てるかですが、怒りの感情に同調することをまず避けましょう。「腹が立ったんですね」「それはお怒りですね」などと怒りの感情に直にふれると「そんなもんじゃないよ」とますます火に油を注ぐかたちになってしまいます。

そうではなくて、何があったのか、事実を聞いていきます。「どうされましたか?」「何がありましたか?」「何がお困りですか?」など、感情ではなく事実をたしかめます。そうすることで、怒りのもとにある一次感情に迫っていけるのです。

イメージとしては、取材をしている感覚です。「いつ、どこで、誰が、何を、なぜ、どのように」という「5W1H」をおさえるように、冷静に聞いていきます。事実関係がつかめると、「ああ、だからこの人は馬鹿にされたと思って悔しいんだ」とか「理解されなくて悲しかったんだ」ということがわかります。

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