「炭素利益率の高い企業」ランキングTOP100社 排出量の多い企業は業績にも影響する時代が来る
東洋経済オンライン / 2024年9月18日 7時0分
2026年度から本格導入される予定の二酸化炭素(CO2)など温室効果ガス(Greenhouse Gas:GHG)の排出量取引制度。企業が一定以上排出する場合、新たな負担が増え業績にも影響する時代が来るとみられる。そこで、今回はその耐性度を見るため営業利益をGHG排出量で割って算出した「炭素利益率(Return On Carbon:ROC)」をご紹介する。
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計算に使うGHGは自社が直接排出するスコープ1と使用電力などの間接排出のスコープ2を使うことが一般的だ。ROCの数値が高ければ、今後、炭素排出に伴う炭素税などのカーボンプライシングが導入されても、新たに発生するコストを現状の利益水準で対応でき、財務面での余裕度が高いと判断できる。
この考えに基づき、連結優先の3期平均営業利益(2023年3月期まで)と『CSR企業総覧(ESG編)』2024年版掲載のGHG排出量(2022年度のスコープ1+2)を使い排出量1万t-CO2以上の、金融機関を除く一般事業会社を対象に上位100社のランキングを作成した。
1位は東京エレクトロン
ランキング1位は東京エレクトロン(12203.8)。3期平均の連結営業利益5125億円に対してGHG排出量42.0千t-CO2で計算した。もし排出量1トン当たり1万円の炭素税やカーボンクレジット購入が必要となった場合、1000t-CO2で1000万円(=10百万円)となる。
ROCは1000t-CO2当たり12203.8百万円なので、「12203.8百万円の利益に対して、最大でも10百万円の負担なので、影響は軽微」といった使い方が想定される。
同社は2022年度までにすべての国内製造拠点で再生可能エネルギーの導入を完了。全社の再生可能エネルギー使用比率は91%まで上がっている。GHG排出量は前年比で53.3%削減。製品のCO2排出量は代表機種で2030年までに2018年度比30%削減を目指し、バリューチェーン全体での削減を考え取り組みを進めている。
2位は中外製薬で6732.8。GHG排出量62.2千t-CO2に対して3期平均の連結営業利益は4188億円だった。電力使用量の多い工場・研究所で電力会社提供のサステナブル電力への転換を推進。再エネ利用率も81.3%と高い水準となっている。2050年にグループでの排出ゼロを目指し、まず2030年の60~75%削減に向け取り組みを進める。
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