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いきなり中間管理職になった人が知らない心得 職場のストレスや長時間労働にどう対処するか

東洋経済オンライン / 2024年9月19日 9時0分

「何か困っていることはない?」「○○の件、大丈夫?」などと、日ごろから気軽に声かけや会話をしていくとよい。1対1で集中して5〜10分くらい話すと、相手が問題を抱えているかどうかがわかるようである。気にかけない、声をかけない、ほったらかすが最もよくない。

聴覚情報や視覚情報からも情報を得る

アメリカの心理学者アルバート・メラビアンの実験を参考にすると、1対1のコミュニケーションにおいては、内容そのものの言語情報が7%、耳から入ってくる声のトーンや調子といった聴覚情報が38%、目から入ってくるしぐさや態度の視覚情報が55%である。

もちろん、内容そのものが重要でないということではないが、聴覚情報や視覚情報から、相手の真意などについて得られる情報量も多いということである。

よって、日ごろから気にかけて、メンバーのあいさつやしぐさなどを観察しておいたり、面談のときの態度や様子をよく見ておくことも大切である。

特にプレイング・マネジャーの課長の場合、自分自身の担当業務に追われ、メンバーの状況把握が難しいかもしれない。メンバーの言動や様子をよく観察したり、定期的にたとえ5〜10分でも1対1で対話・相談する機会を設けたりすることが対策となる。

課のメンバーや専門家と協力してストレス問題に対応

また、課に係長・主任などがいる場合、同様に彼ら彼女らにもメンバーの観察や対話を積極的に行うように指示する。課長1人ですべてを行おうとせずに、遠慮せずに協力してもらい、明らかにメンバーがうつ病になったり、もしくはうつ病の疑いがあったりする場合は、臨床心理士や医者などの専門家に相談し、協力してもらうことである。

筆者自身、うつ病になったメンバーの職場復帰のときに対応したことがあるが、その際、やはり自分たちだけでは対応しきれず、専門医のサポートをお願いし、連携しながら進めた。

あるメーカーのマネジャーは「仕事のつらさは何とか頑張れる。でも人間関係のつらさは耐えられない」と言う。仕事以上に人間関係のトラブルやストレスは大きいため、課長として、各メンバーとの定期的な個別面談などで、職場内の人間関係の状態やトラブルがないかなども把握しておくとよい。

職場の懇親会や昼食会などのイベントも、職場のストレス問題予防の対策の1つである。

リモートワークにおいては、さらにストレスが高くなる傾向があるため、よく注意をしておきたい。

職場の長時間労働をいかになくすか、どのようにライフ・ワークバランスをとるかが、企業の重要な課題の1つとなってきている。自宅などでのリモートワークが普及すると、ライフとワークのバランスをとるというよりも、むしろライフとワークを統合・融合する意味でのインテグレーションのほうが適切であるため、本書では“ライフ・ワークインテグレーション”と表現する。

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