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思考力で解ける!「東大の入試」を解いてみよう シャッター通り商店街が増えているのはなぜか

東洋経済オンライン / 2024年9月19日 17時0分

東京大学(写真:haku / PIXTA)

最近の学校のテストや入試問題では、問いを立てて身の回りのことに疑問を持つ、「探求型思考力」が問われる傾向にあります。『アカデミックマインド育成講座』を監修した東大カルペ・ディエムの西岡壱誠氏が、問題が解けずに悩んでいる子どもに対して、有効なアドバイスを紹介します。

思考力があれば中学生でも解ける問題

みなさんは「東大の入試」と聞くと、どのような問題が考えられるでしょうか。とてつもなく難しい問題を思い浮かべる人も多いのではないでしょうか。

【写真】『アカデミックマインド育成講座』(東大カルペ・ディエム 著、西岡 壱誠監修)では10代からの探求型思考力の身につけ方を紹介

実際に難しい問題も多いのですが、その「難しい」のレベルというのは、みなさんが考えているものとは少し違うかもしれません。

特に東大の地理では、「たしかに非常に難しいけれど、知識がなかったとしても、思考力があれば中学生でも解ける」問題が多いのです。

例えば、2005年にはこんな問題が出題されました。

地方中小都市の中心商店街では、シャッターを下ろしたままの店舗が目立つ。このように、閉鎖された店舗が中心商店街で増加している地理的要因について、下の語句の中から適切な語句を選んで、2行以内(60字以内)で述べよ。

語群
移民 過疎化 観光客 空洞化 現地生産 高齢者 自家用車 駐車場 通学者 ビジネス客 民営化 モータリゼーション Uターン 労働力 ロードサイド

「シャッター通り商店街が増えている理由を答えなさい」という問題です。

社会の教科書や地理の参考書を読み込んでいれば答えが出る、という類ではなく、社会の知識を総動員しつつも、それらを組み合わせて考えないと答えが出せない問題になっています。

われわれは全国の中学・高校で、「アカデミックマインド育成講座」と呼ぶ授業を行っており、こうした思考力を問う問題の対策法を研究しています。今回の問題も、実は頭の使い方を知っていれば解ける問題なのです。

まず、この問題は「閉鎖された店舗が中心商店街で増加している地理的要因」を述べるものです。この「増加している」という言い方には注意が必要です。「増加」という言い方をしているということは、数値に「変化」が起こったことを表しています。

「何を当たり前のことを」と思うかもしれませんが、ここが今回の問題を解くうえでいちばん重要な部分なのです。

パッとこの問題を見ると、「閉鎖された店舗が増加している?人気がないって話でしょ?」と短絡的に考えてしまいがちです。でも、もともと人気がなかったら、この地域でお店を出そうと思わないはずです。それなのに、「シャッターを下ろしたまま閉鎖されるようになった」ということは、「もともとは人気だった商店街が、なんらかの要因で人気がなくなってしまった」ということを表しています。

問いを2つに分解する

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