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デミ・ムーア「61歳ヌード」に込められた深い意味 脱ぐことで批判されてきた彼女が今度は称賛された訳

東洋経済オンライン / 2024年9月21日 12時0分

『The Substance』のプレミアに登場したデミ・ムーア(写真:REX/アフロ)

“女優”デミ・ムーアが、今、ハリウッドで脚光を浴びている。今週末アメリカで公開される主演作『The Substance』での演技が高く評価され、賞レースにもかかってくるかとささやかれているのだ。

【写真で振り返る】デミ・ムーアの主演作『The Substance』(2024)の一場面、ストリッパー役が批判を受けた『素顔のままで』(1996)、出演をめぐり摂食障害を抱えるようになった『きのうの夜は…』(1986)など

1990年代には最高記録のギャラを稼ぐほど成功したが、実力派の役者というより、人気スターとしての扱いだった。事実、オスカーに候補入りしたことは一度もなく、逆に最悪の演技に対して贈られるラジー賞には8回もノミネートされている。

メジャースタジオの映画に主演したのは、1997年の『G.I.ジェーン』が最後。この20年ほどは、仕事よりも、15歳下の俳優アシュトン・カッチャーとのロマンスなど、スキャンダルで注目された。

61歳にして演技派女優として認められる

だが、カッチャーに不倫されて離婚したのは、もう11年前。その間も地道に映画やテレビドラマに出演してきたムーアは、61歳にして、キャリアを変えるかもしれない作品にめぐりあったのである。

【写真】『The Substance』(2024)の一場面、ストリッパー役が批判を受けた『素顔のままで』(1996)、出演をめぐり摂食障害を抱えるようになった『きのうの夜は…』(1986)など【デミ・ムーアのビフォーアフターを見る】(5枚)

カンヌ映画祭で脚本賞、トロント映画祭でミッドナイト部門の観客賞を受賞した『The Substance』は、女性に若さと美しさを求める社会を風刺する、ダークなユーモアに満ちたホラー映画だ。

主人公エリザベス(ムーア)は、かつて大人気を誇ったハリウッド女優。年齢の影響をいやでも感じさせられる彼女は、あるとき、闇の施術の存在を知る。それは、若いバージョンの自分を創造するというもの。若いバージョンはあくまで自分であり、同時に存在することはできず、本来の自分と7日ごとに交代して生きる。

映画では、ムーアの全裸シーンがたっぷり出てくる。それらのショットは、なるべく美しくセクシーに見せようとするのではなく、正直かつリアルに見せる目的で撮られている。

若いバージョンの自分(マーガレット・クアリー)を見たエリザベスが感動するシーンで、観客は納得できなければならないのだ。ムーアのヌードはこの映画のために必要なもの。それをムーアは文字通り体当たりでこなしたのである。

過去に脱いだときは批判を受けた

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