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誕生100年の都バス「利用者多い路線」はどこ? 鉄道網の空白地帯が健闘、でも実は8割が赤字

東洋経済オンライン / 2024年9月21日 7時0分

都区内が中心の都バスであっても状況は厳しい。公営交通として採算性の低い路線も維持する役割を担っているとはいえ、2022年度は約17億8000万円の経常赤字だった。

「当たり前」に走るバスを維持できるか

全国でバス事業の厳しさに拍車をかけているのが人員不足だ。2024年4月からはドライバーの時間外労働時間の上限規制、いわゆる「2024年問題」の影響によって人繰りが困難になった各地のバス事業者が減便や路線廃止を余儀なくされている。

都交通局によると、都バスは「現状では、乗務員不足に伴う減便は行っていない」という。ただ、日ごろの運行で欠員が出た場合は「ほかの乗務員の時間外勤務や休日出勤により維持している状況」だ。

2023年12月に開かれた「都営交通の経営に関する有識者会議」第6回の資料によると、50代後半の乗務員が多く今後大量の退職が見込まれることなどから「中長期的には乗務員の確保が課題」としている。人材の確保はバス事業者に共通する大きな課題だ。

日々当たり前のように多くの人々を乗せて走っている都バス。都心部で利用していると、まさか8割の路線が赤字だとは思わないかもしれない。だが、バスの苦境は過疎地や地方にとどまらず、都市部にも押し寄せている。都バスに限らず、「当たり前」の身近な足を今後も維持し続けるために何が求められるのか、バス事業者だけでなく利用者や社会全体で今まで以上に意識することが必要となってくるだろう。

小佐野 景寿:東洋経済 記者

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